EC戦略2026.09.01TWELVE

楽天の運用代行、任せて伸びる店と沈む店の違い

楽天の運用代行、任せて伸びる店と沈む店の違い

「楽天の運用代行を入れたのに、思ったほど伸びない」——そんなご相談、本当に多いんです。レポートは毎月届くけれど、売上は横ばい。担当者に聞いても「広告を最適化しています」の一言で終わってしまう。任せたはずなのに、なぜかモヤモヤが残る……その気持ち、すごく分かります。

でも実際の案件を見ていると、同じように外部へ任せても、ぐんと伸びるお店と静かに沈むお店にはっきり分かれるんですよね。その差は担当者の腕だけではなく、任せ方や役割分担の設計にあることがほとんどなんです。この記事では、うちのチームが現場で見てきた両者の違いと、契約前にチェックしておきたいポイントを整理していきますね。

「楽天 運用代行」を検索する人が、本当に困っていること

「楽天 運用代行」で検索しているとき、たぶん多くの方は「代行会社を比較したい」わけじゃないんですよね。もっと手前に、どうにもならなくなっている状況があって、その突破口を探して検索窓に打ち込んでいる。私たちが日々ご相談をいただくなかでも、入口の言葉は同じでも、その裏側にある状況は大きく3つに分かれるなと感じています。

ひとつめが、「人手が足りない」パターン。楽天の担当者さんが実質ひとりで、商品登録もクーポン設定もイベントエントリーも問い合わせ対応も全部やっている状態です。日々の作業でカレンダーが埋まって、売上を伸ばすための施策に手が回らない。SKUが増えるほど作業が増えて、気づけば「運用」ではなく「維持」になっている。この場合、困っているのは戦略ではなく手の数なんです。

ふたつめが、「何から手をつければいいか分からない」パターン。RPPも回している、メルマガも送っている、ページも一応整えた。でも、どれがどれくらい効いているのか分からないまま続けている状態ですね。楽天は施策の選択肢が本当に多いので、全部やろうとすると全部が中途半端になります。ここで困っているのは手の数ではなく、優先順位のほうなんです。

みっつめが、「売上が落ちた」パターン。前年と同じことをしているのに数字が下がっていて、原因が自社なのか市場なのか判断がつかない。この不安が一番しんどくて、焦って施策を足したり広告費を増やしたりして、余計に利益が削れていくことも珍しくありません。原因の切り分けについては売上減少が市場要因か自社要因かを見分ける記事も合わせて読んでみてください。

大事なのは、この3つで代行が効く場面と効かない場面が違うということなんです。先に整理しておきますね。

状況代行が効くかポイント
人手が足りない効きやすい作業範囲を明確にすれば即効性がある
優先順位が分からない相手次第作業型ではなく設計から入れる相手を選ぶ
売上が落ちて不安そのままだと効きにくい原因の切り分けが先。丸投げすると迷走する

つまり、「困っているから任せる」ではなく「何に困っているかを言語化してから任せる」だけで、結果はかなり変わります。伸びる店と沈む店の分かれ目は、実はもう契約前から始まっているんです。まずはご自身の状況が3つのどれに近いか、考えてみてくださいね。

楽天の運用代行は「何を」やってくれるのか——業務を9つに分解する

「楽天の運用代行をお願いしたい」と言っても、その中身って実はかなり幅があるんです。私たちが最初の打ち合わせで必ずやるのは、業務をこの9つに分けて「どこからどこまでを誰がやるか」を一枚の表にすること。ここが曖昧なままスタートすると、3ヶ月後にほぼ確実に揉めます。

業務よくある認識のズレ
①商品登録「登録」=CSVを入れるだけか、項目選択肢やSKU設計まで含むのか
②ページ制作月何ページまで? 撮影・モデル・ライティングは別料金か
③RPP運用入札調整だけか、除外KW整理やレポート開示まであるか
④クーポン・イベント設定イベント参加の判断は誰がするのか、値引き原資の承認フロー
⑤メルマガ配信作業だけか、企画・原稿・バナーまで含むか
⑥レビュー対応返信の文面を誰が書くか、低評価時のエスカレーション基準
⑦CS(問い合わせ)受注・キャンセル・クレーム一次対応の範囲
⑧在庫連携在庫システムの管理責任、欠品時の掲載停止判断
⑨分析レポート数字の羅列か、次月の打ち手まで提案するか

特に事故が起きやすいのが④と⑧なんです。スーパーセールのエントリーを「代行さんがやってくれてると思ってた」と両者が思い込んでいて、気づいたら参加できていなかった。在庫が切れているのに広告だけ回り続けて、機会損失どころか広告費だけ溶けた。こういう失敗、驚くほどよく聞きます。イベント設計は売上インパクトが大きいぶん、抜けたときのダメージも大きいんですよね。

③のRPPも要注意です。「運用してます」と言いながら、実際は月1回の予算調整だけということもあります。何を見て何を変えたのかが共有されない状態は、ブラックボックス化の入り口。契約前に「レポートのサンプルを見せてください」とお願いしてみてください。そこに考察が書かれているかどうかで、その会社のスタンスがかなり分かります。

おすすめは、9項目を「代行/自社/協業」の3列で埋めること。協業の欄が多すぎる契約は、たいてい後で誰の仕事でもなくなります。空白のマスを残さないだけで、任せて伸びる確率はぐっと上がるはずですよ。

任せて伸びる店と、沈む店の分かれ目は「渡し方」にある

ここまで業務の中身を分解してきましたが、実は同じ会社に、同じ料金で、同じメニューをお願いしても、伸びる店と沈む店にきれいに分かれるんです。うちのチームで見てきた限り、その差はスキルよりも「情報の渡し方」に出ています。パートナー選びで悩んでいる方こそ、ここを先に押さえてほしいなと思います。

いちばん多い失敗が、いわゆる丸投げ型。契約したらアカウント情報と商品データを渡して、あとは月次レポートを待つだけ、というスタイルですね。一見ラクなんですが、これだと運用側は「楽天のなかで見える情報」しか使えません。検索需要とか競合の価格帯とか、外から取れるデータだけで施策を組むことになるので、どうしてもどの店でも作れる、そこそこの施策に落ち着いてしまうんです。

対して併走型は、社内にしかない情報が定期的に流れてきます。この違い、想像以上に大きいんですよね。

渡せているか丸投げ型で起きること併走型で起きること
商品知識・開発背景スペックの羅列で終わる「なぜこの素材か」が訴求軸になる
お客様像・問い合わせ内容想像でペルソナを作る実際の悩みがページの見出しになる
在庫・生産の都合売れた瞬間に欠品して失速広告の強弱を在庫に合わせられる
過去の失敗事例同じ施策を数ヶ月かけて再検証最初から筋の良い打ち手に絞れる

特に効いてくるのが、問い合わせとレビューの一次情報です。実際の案件で、電話やメールで届く質問を月に一度共有してもらうようにしただけで、商品ページの構成がガラッと変わったことがありました。「サイズ感が不安」「他社品との違いが分からない」といった声は、社内では当たり前すぎて誰も言わないんですが、外から見ると宝の山なんです。商品ページのCVR改善は、こういう情報がないと本当に手探りになってしまいます。

逆に、沈んでいく店に共通していたのは「聞いても返事が来ない」という状態でした。質問を送っても二週間返信がない、確認が取れないから施策が止まる、止まっている間に競合が動く——この繰り返しで、半年経っても何も変わらなかった、というケースは残念ながら少なくありません。運用代行は魔法ではなくて、渡された材料の範囲でしか料理できないんですよね。

とはいえ、毎日打ち合わせをしましょうという話ではありません。月1回30分の定例と、質問への3営業日以内の返信。まずはこの二つだけ社内で約束できるかどうかを、契約前に確認してみてください。それができる体制なら、外部に任せる価値はしっかり返ってきます。

契約前に必ず聞く7つの質問(テンプレとして使えます)

ここまで読んで「じゃあ商談で何を聞けばいいの?」と思われた方へ。私たちが実際にクライアントさんへお渡ししている質問リストを、そのまま公開しますね。メモに貼り付けて、初回打ち合わせで読み上げてもらって大丈夫です。答えを聞くというより、答え方の"濁り具合"を見るための質問だと思ってください。

質問見極めポイント
①「実際に手を動かすのは誰ですか。担当者は何店舗を掛け持ちしますか」営業の方と作業者が別なのは普通です。ただ「担当は決まってから」と言われたら要注意。名前と経験を出せるかどうか
②「報告は月次ですか、週次ですか。フォーマットを見せてもらえますか」過去の報告書サンプル(社名は伏せて)を出せる会社は、報告が仕組み化されています
③「月額の中に広告運用は含まれますか。広告費は別ですか、手数料は何%ですか」ここが曖昧なまま契約すると、後から必ずもめます
④「RMSのアカウント権限はどう分けますか。私たちも常時ログインできますか」「こちらで一括管理します」だけの回答はブラックボックス化のサイン
⑤「成果指標は何ですか。売上ですか、利益ですか、広告経由売上ですか」ROASだけで語る会社は、赤字の売上でも"成果"にできてしまいます
⑥「最低契約期間と、解約したい場合の申し出期限は」半年縛りが悪いわけではなく、その理由を説明できるかが大事
⑦「価格変更やクーポン設計は、どちらが決めますか」意思決定者を先に決めておくと、繁忙期の事故が激減します

特に③と⑤は、その場でホワイトボードに書いてもらうくらいでちょうどいいんです。費用の内訳の考え方は楽天運用代行の費用相場で、広告まわりの透明性についてはRPP運用のブラックボックス化で詳しく書いているので、あわせて武器にしてみてください。

そして、この7つを聞かれて嫌な顔をする会社とは、たぶん長く組めません。逆に「いい質問ですね」と資料を追加してくれる会社は、運用が始まってからも情報を出し惜しみしないはずなんです。質問はテストではなく、これから一緒に走る相手との相性チェック。気負わず、素直に聞いてみてくださいね。

月次レポートで見るべきは「順位」ではなく、この3つ

運用代行を入れると、毎月きれいなレポートが届くようになります。順位が上がったキーワードの一覧、施策の実施報告、来月の予定。読むと仕事をしてもらえている感じはするのですが、そこから「で、次に何をすればいいのか」が出てこないレポートって、実はけっこう多いんです。

私たちがクライアントと一緒に見るときは、売上を必ずこの3つに割ってから話し始めます。

見る数字下がったときに疑うこと
アクセス人数検索順位の変動、広告の消化停止、イベント参加の有無
CVR(転換率)ページの改変、レビュー、在庫切れ、送料条件、競合の値下げ
客単価まとめ買い導線、クーポン設計、単品ばかり売れる状態

売上が落ちた月に「順位が下がりました」とだけ報告されると、対策は順位を戻すことしか出てきません。でも分解してみたらアクセスは前年並みで、CVRだけが落ちていた、というケースが実際の案件では本当によくあるんです。原因はレビューに低評価が数件ついたことだった、なんてこともあります。順位の話をしていたら一生たどり着かない場所ですよね。この分解の考え方はアクセスと売上の関係を整理した記事でも詳しく書いています。

そしてもうひとつ、必ず切り分けてほしいのが広告経由と自然流入です。全体のROASだけを見ていると、広告費を積んで売上を作っている月と、自然流入が育って売れている月が同じ顔で並んでしまいます。広告を止めた瞬間に売上が半分になるお店は、たいていこの切り分けをしてこなかったお店なんです。RPPのキーワード別実績を出してもらえないときは、運用がブラックボックス化していないかを一度확認してみてください。

見抜き方はシンプルで、レポートを読み終わったあとに「来月、うちは何を変えるんでしょう?」と聞いてみることです。数字から自然に答えが出てくる担当者なら、そのレポートは判断材料になっています。逆に施策の羅列しか返ってこないなら、フォーマットを一緒に作り直すところから始めれば大丈夫。RMSの無料ツールだけでも、ここまでは十分見られますよ。

うちのチームが見てきた、運用代行の失敗パターン5つ

ここからは、うちのチームが実際に引き継ぎでご相談をいただいたときに「あ、これまた出た」と思うパターンを5つ、正直にお話ししますね。どれも悪意があって起きているわけじゃなくて、構造的に起きやすいものばかりなんです。

1つめ|RPPだけ回して、自然流入がまったく育っていない
広告は数字がすぐ動くので、代行側も報告しやすいんですよね。でも半年経ってもRPP経由の売上比率が下がらないお店は、要注意です。広告を止めた瞬間に売上が消える構造になっているので。検索順位・自然流入の推移をレポートに入れてもらうだけでも、見え方が変わります。広告費を下げながら自然流入を伸ばす考え方も参考にしてみてください。

2つめ|商品ページを触れないまま、広告だけ足していく
ページ修正の権限をもらえていない代行会社は、できることが広告調整しか残らないんです。結果、CVRが低いページに人を流し続けることになる。「ページ改修は誰の担当ですか」を、契約前に決めておくのがいちばんの予防策なんです。

3つめ|複数モールで施策がバラバラになる
楽天は代行、Amazonは社内、Yahoo!は放置——というお店、けっこう多いです。価格もセール時期も画像もそろっていないので、お客さまから見ると同じブランドに見えないんですよね。複数モール運営の負担は、まず情報の一元管理から軽くなります。

4つめ|社内に知見がまったく残らない
作業も判断も外に出してしまうと、2年経っても自社の担当者が「なぜ売れたか」を説明できない状態になります。月1回でいいので、施策の意図を言語化してもらう場をつくってみてください。

5つめ|担当者交代で、振り出しに戻る
これがいちばん多いかもしれません。代行側の担当が変わった瞬間に、商品知識も過去の失敗も引き継がれず、また同じ検証をやり直す。ドキュメントが個人のメモに閉じているのが原因なんです。

失敗パターン予防のひとこと
RPP依存自然流入比率を毎月見る
ページ未改修改修担当を契約時に明記
モール分断価格・画像・セールを一元管理
知見が残らない施策の意図を文章で残す
担当交代共有フォルダで運用記録を保管

逆に言うと、この5つを潰せているお店は、代行を使っても使わなくても伸びていくんです。全部を一度に直さなくて大丈夫なので、いちばん心当たりのあるものから手をつけてみてくださいね。

代行・採用・仕組み化、どれを選ぶかの判断軸

「うちの規模だと、代行に頼むのはまだ早いですか?」ってよく聞かれるんですが、私たちは売上規模で線を引かないほうがいいと思っています。月商が小さくても回っている店はあるし、大きくても代行に丸投げして沈む店もあるからです。分かれ目になるのは、社内に「判断できる人」が一人でもいるかどうかなんですよね。

ここで言う判断できる人は、施策を自分で作れる人ではなくて、上がってきた提案に対して「それはうちのブランドではやらない」「その値引きは粗利が残らない」と言える人のこと。手を動かすスキルより、止める権限と基準を持っているかどうかが大事なんです。

社内の状態向いている選択
判断できる人がいる/時間がない代行に実務を渡す。判断は社内に残す
判断できる人がいないまず伴走型で基準づくり。全面代行は避ける
判断も実務もこれから採用より先に、業務の型と数値の見方を仕組み化

採用と外注のどちらが先か迷ったときは、外注・採用・AIの使い分けEC担当者を採用する以外の選択肢も合わせて読んでみてください。

そのうえで、線引きはこの順番で決めていくとブレません。

ひとつだけ気をつけたいのが、コスト比較だけで決めてしまうこと。費用感は楽天運用代行の費用相場で整理していますが、安さで選ぶと結局①の領域まで渡してしまいがちなんです。

全部を任せる必要も、全部を抱える必要もありません。判断だけ社内に残す。それだけで、代行はぐっと使いやすいパートナーになりますよ。

まとめ|運用代行は「外注」ではなく「チームを増やす」こと

ここまで読んでくださって、「思っていたより自分たちがやることが多い」と感じた方も多いかもしれません。でも、それこそが楽天の運用代行をうまく使えているお店の共通点なんです。伸びるお店は、代行会社を「外注先」ではなく「隣の席に座ってくれるチームメンバー」として扱っています。だから情報を隠さないし、判断の背景も共有する。逆に沈むお店は、丸投げした瞬間に相手を「業者」にしてしまって、会話が減っていくんですよね。

依頼先探しを始める前に、まずやってほしいのは自社の棚卸しです。ここが曖昧なまま会社を比較しても、「なんとなく感じがよかった」で決まってしまいます。

この4つを紙に書き出すだけで、面談での質問の質がまるで変わります。相手も答えやすくなるので、結果的に相性の見極めも早くなるんです。費用感の目安は楽天の運用代行の費用相場、選び方の細かい観点はコンサル会社の選定基準の記事も参考にしてみてください。

そして進め方は、いきなりフルパッケージではなく小さく始めるのがおすすめです。まずは広告だけ、まずは主力3商品のページだけ。3ヶ月走らせて、レポートの中身と、質問への返答スピードと、こちらの意見が施策に反映されるかを見る。ここで違和感があれば範囲を広げなければいいだけなので、リスクはぐっと小さくなります。実際の案件でも、小さく始めて信頼が積み上がったお店ほど、その後の伸び方が安定していました。

運用代行は、うまく使えばお店の可能性を何倍にも広げてくれる選択肢です。大事なのは、任せきることでも抱え込むことでもなく、一緒に走れる相手を見つけること。外注・採用・AIの使い分けも含めて、自社に合う形をゆっくり考えてみてくださいね。今日書き出したメモが、半年後のお店を変える最初の一歩になるはずです。

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