2026.05.13EC戦略

広告費を削ったECが強い。依存から脱却する自然流入戦略

広告費を削ったECが強い。依存から脱却する自然流入戦略
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EC・SNS支援サービス
広告依存から脱却するための実行支援。自然流入の仕組みを一緒に作ります。
WORKS
支援実績・事例
広告費率を改善しながら売上を伸ばした店舗の実績をご覧ください。

「広告費を削りましょう」と提案した代理店を、私は見たことがありません。

それは当然で、代理店の売上は広告費に連動しているから。でも私たちは実行チームです。お金の使い方まで、正直に話せる立場にいる。この記事では、広告依存から抜け出すために本当に必要なことをお伝えします。

広告費の「常識」を疑うところから始める

売上をつくるお金と、売上を買うお金は、違う

お金には、大きく2種類あります。「売上をつくるお金」と「売上を買うお金」です。

商品開発、パッケージ改善、レビュー施策、SNSコンテンツの制作……これらは「売上をつくるお金」。一度投資すれば、資産として蓄積されていきます。

広告費は「売上を買うお金」です。払い続けているあいだだけ、売上が来る。止めた瞬間に止まる。

どちらが悪いわけではありません。でも、この2つを混同しているEC事業者があまりに多いんです。「広告費を使っている=投資している」という感覚で、実は「売上をその場で買い続けているだけ」という状態に気づかないまま月日が経っていく。

お金をかけるほど売れる、は本当か

「予算を増やせば売上も増える」。一見、当たり前のように聞こえますよね。

でも私たちが支援してきた店舗を見ていると、広告費を増やしたタイミングから利益率が下がりはじめているケースが、珍しくないんです。

電通の調査によると、2025年の日本のインターネット広告費は4兆459億円に達し、総広告費の50%を超えました[1]。市場全体で広告競争が激化している——ということは、同じ予算をかけても、以前より効果が取りにくくなっているということでもあります。

特に楽天市場のRPP広告は、2025年8月以降、多くの店舗でROASの急激な悪化が報告されています[2]。クリックは増えているのに売上につながらない。広告費だけが膨らんでいく。「お金をかけるほど売れる」という方程式が、もう成り立ちにくくなってきているんです。

広告費を減らして強くなる——その逆説の正体

では、なぜ広告費を削った店舗が強くなるのか。

答えはシンプルで、「広告がなくても売れる仕組み」を作ることを余儀なくされるからなんです。

私たちが関わった事例では、指名系ワードのリスティング広告を止めて自然検索対応に切り替えた店舗が、売上前年比120%を達成しています[3]。広告費が減った分、利益率も大幅に改善しました。

広告を削ることで、商品ページの質・レビュー数・SEO・SNSの発信力……本来磨かなければならない「資産」と向き合わざるを得なくなる。それが逆説的に、強い店舗をつくるんです。

コストを削ると損をする、という思い込みについて

「広告費を削ると売上が落ちる」は、思い込みです。

正確に言えば、「広告費に依存した売上は落ちる」。でも、そもそもその売上は、本当に自分たちの力で作った売上でしょうか。

コストを削ると損をする、という感覚は、実は「今の売上の仕組みに問題がある」というサインなんです。健全なEC運営では、広告は「加速装置」であって「生命維持装置」ではありません。

広告依存になったEC事業者が辿り着く末路

広告依存が続くと、何が起きるか。私たちが実際に見てきたパターンをお話しします。

まず、利益率が構造的に下がっていきます。広告費が売上に占める割合(広告費率)が10%を超えたあたりから、利益の出しにくさが顕著になります。私たちが支援する店舗の中でも、広告費率が15〜20%に達していた店舗は、売上規模の割に手元に残るお金が少ない状態が続いていました。

次に、「広告をやめられない体質」になります。広告を止めると売上が落ちる経験を一度でもすると、もう止められなくなる。毎月一定の広告費を払い続けることが前提の経営になっていくんです。

そして最終的に行き着く先は、「値下げ競争への参加」です。

フェーズ 起きること 結果
広告で集客するが CVR が低い ROASが悪化、広告費率が上昇
売上を維持するため広告費を増額 利益がさらに薄くなる
競合に対抗するため値下げ 利益率がさらに悪化
広告なしでは売れない体質が完成 撤退か縮小を迫られる

広告で集客しても、価格で負けると売れない。だから値下げする。値下げすると利益が薄くなる。だから広告費を削れない。この悪循環から抜け出せなくなります。

これは他人事ではありません。私たちが支援を開始した店舗の多くが、このサイクルのどこかに引っかかっていました。

📖 関連記事:売上より大事なのはキャッシュ。EC事業で資金繰りを制する方法

それでも広告を止められない。担当者が抱えている本音

ここが、この話で一番大事なところだと思っています。

広告依存の問題は、多くの場合「担当者が悪い」のではありません。担当者が「止めたくても止められない構造」に置かれているんです。

なぜ広告を止めることを提案できないか。それは、「もし止めて売上が落ちたとき、自分が責任を取らなければならない」からです。

広告を続けていれば、少なくとも「やれることはやっていた」という証拠になります。でも広告をやめてSEOに切り替えましょうと提案して、3ヶ月後に売上が落ちたら……担当者として立場がなくなってしまう。

これは担当者個人の保身ではなく、組織の評価構造の問題です。「短期の売上数字」だけで評価される環境では、「3ヶ月後に強くなる投資」を提案しにくい。

私たちが外部のチームとして入ることで、「その提案をした責任」を一緒に負える立場になれます。担当者ひとりでは踏み出しにくい選択を、一緒に踏み出す。それが私たちの役割のひとつだと思っているんです。

無料で呼べる人から、ちゃんと呼ぶ。自然流入を育てる3つの柱

では、具体的にどうするか。「無料で呼べるところから、ちゃんと呼ぶ」という発想で3つの柱を紹介します。

柱① SEO(検索流入)

Googleでの自然検索流入は、一度上位を取ればランニングコストがほぼゼロです。「楽天市場 〇〇 おすすめ」「△△ 選び方」といった購買意向の高いキーワードで上位を取れると、広告なしで購入検討層にリーチできます。

ECサイトのSEOで特に効くのが「商品カテゴリページ」「比較・選び方コンテンツ」「レビューの充実」の3点です。コンテンツは資産として積み上がっていきます。

📖 関連記事:独自ドメインのECサイトでSEOを攻略する5つの戦略

柱② SNS(指名検索・UGC)

SNSの役割は、直接の購買誘導だけではありません。「ブランド名での指名検索」を増やすことが、中長期の最大の資産になります。

UGC(ユーザー生成コンテンツ)——つまりお客様の投稿や口コミが増えると、広告なしで商品が拡散します。私たちが支援するSNS運用では、UGCを意図的に増やす仕掛けを商品設計の段階から考えています。

柱③ レビュー・口コミ(モール内自然流入)

楽天市場・Amazonのアルゴリズムは、レビュー数・評価が高い商品を検索上位に表示します。レビューは「モール内SEO」として機能するんです。

サンクスメールのパーソナライズ、フォローメールの改善、同梱物の工夫……レビュー獲得には、お金をかけずにできる施策がたくさんあります。

施策 コスト 効果の持続性 立ち上がり
リスティング・RPP広告 高(月次継続) 止めると即消滅 即時
SEO(コンテンツ) 低(工数のみ) 資産として蓄積 3〜6ヶ月
SNS運用 低〜中 フォロワー・UGCが資産化 3〜12ヶ月
レビュー施策 ほぼゼロ 評価が蓄積 1〜3ヶ月

広告は「今すぐ売上が欲しいとき」の手段として使うのが正解です。自然流入の仕組みが育ってきたら、広告は「加速」のためだけに使う。そのバランスが、強いEC事業者の共通点です。

まとめ:広告費を削ることは、強者の選択

広告費を削ることは、逃げではありません。

「売上を買い続ける依存」から脱して、「売上をつくる資産」を育てるための、強者の選択です。

ただ、そこには担当者が一人では踏み出しにくい壁があります。短期評価のプレッシャー、責任の所在の問題。これを一緒に乗り越えるのが、私たちのような実行チームの役割です。

まず、現状の広告費率を確認してみてください。売上に対して10%を超えているなら、構造を見直すタイミングかもしれません。話だけでも、してみませんか。

参考データ・出典
  1. 電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月発表)
  2. 株式会社ファンクション「2025年8月からRPP広告のROASが悪化?」(2025年)
  3. 支援事例(企業名・数値は匿名化・概算処理済み)
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