
「楽天の分析ツール、無料で使えるものだけでどこまで見えるんだろう?」って、一度は思ったことありませんか。RMSのなかにもデータを見られる場所はいくつもあるのに、どれを開けばいいのか分からなくて、結局アクセス人数だけ眺めて閉じてしまう…そんな声、私たちも現場でよく聞くんです。
実は無料の範囲でも、売れない理由の切り分けはかなりできるんですよね。この記事では、うちのチームが日々の運用で実際にどのツールをどの順番で見ているか、無料でまかなえる部分と有料が必要になる場面の線引きまで、まるっとお話ししてみますね。
「楽天の分析ツールって、無料でどこまで見られるんですか?」というご相談、うちのチームにもよくいただきます。そしてほぼ例外なく、その裏側には「先月より売上が落ちた」「広告費は変えていないのに受注件数が減った」みたいな、モヤモヤした不安があるんですよね。
この気持ち、すごくわかります。数字が落ちたときって、まず「見えていない何かがあるはず」と思いたくなるんです。だから有料ツールの資料を取り寄せたり、無料で使える範囲を調べたりする。でも実際に店舗さんの管理画面をご一緒に開かせていただくと、驚くほど多いのが「もともと無料で見られる数字を、まだ一度も開いていない」というパターンなんです。
楽天のRMSには、標準で使える分析機能がいくつも入っています。アクセス、転換率、検索キーワード、商品ごとの動き。ここを順番に見るだけで、「そもそも人が来ていないのか」「来ているのに買われていないのか」は切り分けられます。この切り分けをせずにツールを増やすと、数字の種類だけが増えて、判断がもっと遅くなってしまうんです。
私たちが現場で最初に確認するのは、だいたいこの順番です。
| 見る順番 | 確認すること | そこで分かること |
|---|---|---|
| ①アクセス数 | 店舗全体/主力商品ページ | 集客が落ちたのか、そうでないのか |
| ②転換率 | アクセスに対する購入率 | ページ・価格・在庫の問題か |
| ③客単価 | 同梱・セット・まとめ買い | 売上減の内訳がどこにあるか |
| ④流入内訳 | 検索/広告/メルマガ | どのルートが細ったのか |
この4つは、全部無料の範囲で追えます。逆に言うと、ここが埋まっていない状態で高機能なツールを入れても、出てくるのは「知らない指標」だけなんですよね。実際の案件でも、有料ツールの導入を検討されていた店舗さんが、①〜④を並べただけで原因が特定できた、ということが何度もありました。
もうひとつ大事なのが、落ちた原因が自店にあるのか、市場全体にあるのかという視点です。ここを混同すると、直さなくていいものを直してしまいます。この切り分けについては売上減が市場要因か自店要因かを見分ける記事や、売上とアクセスの関係を整理した記事もあわせて読んでみてください。
この記事では、楽天で無料で見られる分析機能を「どんな場面で、どの順番で開くか」という現場目線で整理していきます。ツールを増やす前に、いま手元にあるものを使い切る。そこから始めれば、次に何が必要かも自然と見えてくるはずです。
「無料の分析ツール」を探しはじめる前に、まず確認してほしいのがRMSにもともと入っている標準機能なんです。追加費用ゼロなのに、意外と開いたことがない画面って多いんですよね。うちのチームが新しく店舗を引き継ぐときも、最初の1週間はここの棚卸しから始めます。
| 見たい数字 | だいたいの場所 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 店舗全体のアクセス人数・売上・転換率・客単価 | 店舗カルテ(R-Karte) | 同ジャンルの平均と並べて、自店の弱点がどこかを掴む |
| 日別/商品別のアクセスと売上 | データ分析 内のアクセス・売上レポート | 施策を打った日の前後比較、売れ筋と死に筋の切り分け |
| 受注の明細(購入商品・同梱・都道府県など) | 受注管理からのCSVダウンロード | まとめ買いの組み合わせ、リピート購入の実態 |
| ページの改善ポイント | 商品ページ診断系のメニュー | 画像点数や説明の不足など、抜けの発見 |
| メルマガ・クーポンの反応 | 各機能の実績・効果測定画面 | 配信のたびに開封と受注の動きを確認 |
ここでつまずきやすいのが、「探している数字と、メニュー名が一致していない」ことなんです。たとえば「商品ごとに何人来て何個売れたか」を知りたいのに、メニューには「商品」という単語が出てこなかったりする。だから私たちは、最初にRMSのトップから全メニューを一度ぜんぶ開いて、見出しと中身のズレをメモしておくようにしています。地味なんですが、これをやっておくと後の分析スピードが本当に変わります。
もうひとつお伝えしたいのが、標準機能はデータの保持期間に区切りがあるという点です。過去との比較をしたくなったときに「もう見られない」となるのはよくある失敗パターンなので、月初にレポートをCSVで落として、自社のフォルダに積み上げていってください。実際の案件でも、この蓄積があるお店とないお店では、去年の同じ月と比べる作業の負担がまったく違いました。
そして数字を見る順番も決めておくと迷いません。アクセス人数→転換率→客単価、の3つを店舗全体と主要商品でそれぞれ確認する。これだけで「集客の問題なのか、ページの問題なのか」が切り分けられます。切り分け方はアクセスと売上の関係を整理した記事でも触れているので、あわせて読んでみてください。まずは無料の範囲を使い切る。そこから先に、有料の話が出てくるんです。
RMSの中だけで完結させようとすると、どうしても「楽天の外で何が起きているか」が見えないままなんです。季節の需要が動いているのか、検索されている言葉が変わったのか。そこは楽天の外側にある無料ツールで補うのが現実的で、うちのチームも毎週のように併用しています。ただ、それぞれ「見えるもの」と「絶対に見えないもの」がはっきり分かれるので、そこを勘違いしないことがいちばん大事なんですよね。
| ツール | 分かること | 分からないこと |
|---|---|---|
| Googleアナリティクス | 自社ドメインのECサイトの流入経路・ページ滞在・CV導線 | 楽天店舗内の行動。楽天のページに計測タグを自由に入れられないため、モール側は基本的に対象外 |
| Search Console | 自社サイトがGoogle検索でどんな語で表示・クリックされたか | 楽天店舗ページの検索データ。所有権のないドメインは登録できない |
| Googleトレンド | キーワードの需要が上がっているか下がっているか、季節の山、地域差、関連する伸び語 | 実売数や購入意欲の強さ。あくまで相対的な検索の増減 |
| 楽天の検索サジェスト | 楽天ユーザーが実際に打ち込んでいる語の組み合わせ。掛け合わせ語のリアル | その語の検索ボリュームや、自店が何位に出ているかの正確な数値 |
使い方の順番も決めておくとラクです。まずGoogleトレンドで「その商材の需要が今どこにあるか」を見て、次に楽天の検索窓に主要キーワードを入れてサジェストを全部メモする。ここで出てくる掛け合わせ語が、実は商品名やキャッチコピーに足りていない言葉だったりするんです。実際の案件でも、サジェストに出ている素材名を商品名に入れただけで検索の当たり方が変わったケースがありました。キーワードの整理の考え方は楽天SEOのキーワード戦略のほうで詳しくまとめています。
よくある失敗は、Googleトレンドで伸びている語をそのまま楽天の商品名に入れてしまうこと。楽天の中で検索されていない語を詰め込んでも、文字数を圧迫するだけで何も起きないんです。Google側は「世の中の空気」を測る道具、楽天のサジェストは「買う人の言葉」を拾う道具、と役割を分けてみてください。自社ECも持っているなら、Search Consoleで拾った語を楽天のサジェストと突き合わせると、両方に共通する“本命の語”が見えてきます。無料でここまでは十分たどり着けますよ。
売上が落ちたとき、いきなり「広告を足そう」と動いてしまうと、だいたい原因がぼやけたままお金だけ減っていくんです。うちのチームでは、無料で見られる範囲だけで上から順に切り分けるようにしています。順番を守るのがいちばん大事で、途中から見ると必ず判断を間違えます。
ステップ1:アクセス数を見る。アクセス・売上ダウンロードで、店舗全体と主力商品それぞれの訪問数を前年・前月と並べます。ここが落ちていれば、商品ページの中身は基本的に無罪です。疑うのは検索順位、広告の消化、イベント参加の有無。逆にアクセスが横ばいなのに売上が落ちているなら、ステップ2以降に原因があります。アクセスと売上の関係は、必ずセットで見てみてください。
ステップ2:CVRを見る。訪問数÷注文数で商品ごとに出します。アクセスが減っていないのにCVRだけ下がっているときは、ページより先に価格・在庫・レビュー・送料表記を確認します。競合が値下げした、サイズ欠けが起きた、低評価レビューが上に来た。この3つで説明がつくケースがかなり多いんです。
ステップ3:客単価を見る。売上÷注文数。CVRが保てているのに売上が戻らないときは、ここが下がっています。まとめ買いセットが在庫切れしている、クーポンの下限設定を下げすぎた、単品購入の導線ばかり強くなっている、あたりが定番の原因です。
ステップ4:リピートを見る。新規と再購入の比率を、期間を揃えて比較します。ここが痩せていると、広告を足しても穴の空いたバケツに水を注ぐ状態になってしまいます。メルマガの配信頻度とクーポンの出し方から立て直すのが現実的です。
| 落ちている数字 | まず疑うこと | 最初の一手 |
|---|---|---|
| アクセス | 検索順位・広告・イベント参加 | 検索窓で自店の表示位置を確認 |
| CVR | 価格・在庫・レビュー | 競合3店の価格と送料を並べる |
| 客単価 | セット商品・クーポン設計 | まとめ買い導線の復活 |
| リピート | 再訪の仕掛け不足 | 購入後フォローの見直し |
この4つを毎週同じ順番でなぞるだけで、「なんとなく不調」が「ここが原因」に変わります。実際の案件でも、切り分けが終わってから施策を打った月のほうが、圧倒的に打率が上がるんです。まずは今週の数字で、1から順に見てみてくださいね。
ここまで無料でできることを並べてきましたが、正直にお伝えすると、無料ツールだけで完結できる範囲には限界があります。私たちが現場に入るとき、だいたい同じ3か所で止まっているんです。先にその壁を知っておくと、「無料で粘るところ」と「有料や外部の力を借りるところ」の線引きがしやすくなりますよ。
| ぶつかる壁 | 無料で見えること | 見えないこと |
|---|---|---|
| ① 市場との比較 | 自店舗のアクセス・売上の推移 | カテゴリ全体が伸びたのか、自分だけ落ちたのか |
| ② 広告と自然流入 | 広告経由の売上、全体のアクセス数 | 自然流入が本当に増えているかの純粋な推移 |
| ③ モール横断 | 各モールの管理画面ごとの数字 | 同じ商品がどこで何番目に強いのか |
①市場全体と比べられないのが、いちばん判断を鈍らせます。売上が前年割れしたとき、無料ツールで見えるのは自店舗の数字だけ。カテゴリ自体が縮んでいるのに「うちの施策が悪い」と決めつけて、page改修やクーポン乱発に走ってしまうパターン、本当によく見かけます。市場要因か自社要因かの切り分け方は売上が落ちたとき、市場のせいか自社のせいかを見分ける方法でまとめているので、あわせて読んでみてください。
②広告と自然流入がきれいに割れないのも壁です。RPPやクーポンアドバンス広告を回している期間は、アクセスも売上も当然伸びます。でもそれが検索順位の改善によるものなのか、単に広告費を積んだ結果なのかは、無料の範囲だと感覚頼りになりがち。私たちは広告を止める週をあえて作って、自然流入だけの素の数字を取ることがあります。考え方は広告費を削っても売上を落とさない自然流入の育て方が近いです。
③複数モールを横断できないのは、運用の負担にも直結します。楽天・Amazon・Yahoo!でそれぞれ管理画面を開き、それぞれのCSVを落として、手元のスプレッドシートで結合する——この作業だけで担当者の午前中が溶けてしまうんですよね。しかも指標の定義がモールごとに微妙に違うので、単純に足し算しても正しく比べられません。この負担の減らし方は複数モール運営の負担を減らす考え方で触れています。
この3つは、無料ツールの使い方が下手だから起きるわけではなくて、そもそも設計上そこまで見えないだけなんです。だからこそ「見えない前提」で運用を組むこと。次の節では、その前提の上でどこまでを無料で回し、どこから有料や外部の手を借りるのかを整理していきますね。
ここまで無料でできることを並べてきましたが、実は私たちがご相談を受けるお店の多くは、ツールが足りないわけじゃないんです。すでに十分見ているのに、次の一手が決まらない。うちのチームがよく見かけるつまずき方を、直し方とセットで置いておきますね。
① 毎週エクスポートして「眺めるだけ」になっている
月曜の朝にCSVを落として、グラフを見て、「先週より落ちましたね」で終わる。これがいちばん多いパターンです。数字を見る会は、「見る会」ではなく「決める会」にすると一気に変わります。おすすめは、レポートの一番上に「今週やること」を書く欄を作ってしまうこと。埋まらない週は、そもそも見ている指標が意思決定につながっていないサインなんです。
② 指標を増やしすぎて、どれも動かせない
アクセス、CVR、客単価、検索順位、レビュー数、広告ROAS……全部大事なんですが、全部同時には追えないですよね。実際の案件では、3か月は主指標をひとつに固定してもらうことが多いです。「今期はCVR」と決めたら、他の数字は参考値として横に置く。担当者が複数いるお店ほど、この合意があるかどうかで動きの速さが変わります。
③ 店舗平均だけ見て、商品別を見ていない
店舗全体のCVRが2%前後で安定していても、中身を開くと「3%の主力」と「0.5%で在庫だけ食っている商品」が混ざっていることがあります。平均は、いちばん直すべき商品を隠してしまうんです。売上上位10商品だけでいいので、商品ページ単位でアクセスとCVRを並べてみてください。手を入れる順番が、驚くほどはっきりします。
| つまずき | 直し方 |
|---|---|
| 眺めるだけ | レポート冒頭に「今週の打ち手」欄を作る |
| 指標が多すぎ | 3か月は主指標をひとつに固定 |
| 平均値しか見ない | 上位10商品を商品別に分解 |
| 比較対象がない | 前年同週・イベント週と並べる |
あとひとつ、地味に効くのが比較の置き方です。前週比だけだとイベントの有無に振り回されるので、前年同週やセール週同士で並べてみてください。「落ちた」と思っていた週が、実は健闘していたと分かることもあります。数字の読み方をチーム内で揃える話はこちらの記事でも触れているので、あわせて覗いてみてくださいね。分析は、動けた瞬間からちゃんと面白くなります。
ここまで読んでくださった方の中には、「じゃあ無料でずっとやっていけるの?」と思われた方もいるかもしれません。正直にお伝えすると、答えはお店の規模と、担当者さんが数字に使える時間で変わるんです。ツールの優劣ではなく、時間コストの問題なんですよね。
私たちが現場でお手伝いするとき、最初に確認しているのはこの3つです。
| 見る軸 | 無料ツールで十分な段階 | 手を借りたほうがいい段階 |
|---|---|---|
| 数字に使える時間 | 週に半日ほど確保でき、月次の振り返りが習慣になっている | 「今週も見られなかった」が続き、気づくと数か月分の変化を見落としている |
| 商品点数 | 主力商品が数点で、1つずつ手作業で追える | 点数が増えて、どのページを直せば効くのか順位づけできない |
| モール数 | 楽天1本、または楽天+自社サイト程度 | 複数モールを並行運用し、同じ作業を何度も繰り返している |
ポイントは、「無料ツールで見えないから困っている」のか「見る時間がなくて困っている」のかを切り分けることなんです。前者なら、まだ工夫の余地があります。RMSとGoogle系を往復するだけでも打ち手は出てきますし、むしろ手を動かして仮説を立てる経験がお店の資産になります。
けれど後者、つまり時間が足りていない状態なら、無料であることのメリットはほぼ消えてしまいます。エクセルに数字を写す作業に毎週何時間もかけて、肝心の施策が翌月に持ち越しになる。実際の案件でも、この「集計だけで終わる状態」が一番もったいないパターンでした。
その先の選択肢は、大きく3つに分かれます。
どれが正解かはお店の状況次第なので、代行・採用・AIを比べた記事もあわせて読んでみてください。複数モールの負担が原因ならこちらの記事も。無料ツールで粘った経験は、外部に任せる段階でも必ず効いてきます。焦らず、いまの段階に合った手を選んでいけたら十分なんです。
ここまで読んでくださった方は、もうお気づきかもしれません。無料ツールで足りないことって、実は「機能」じゃなくて「見る順番」なんですよね。私たちがご相談を受けるときも、ツールを増やして解決した例より、見る順番を決めただけで動けるようになった例のほうが圧倒的に多いんです。
無料の分析機能は、あくまで入口です。入口の先に「どこを疑って、次に何を見るか」の道筋がないと、どんなに高機能なツールを入れても数字の海で迷子になります。逆に順番さえ持っていれば、RMSと検索窓とGoogle系だけでも、かなりのところまで自力で切り分けられるんです。
明日からの最初の一歩として、うちのチームがいつもおすすめしているのはこれだけです。
所要時間は10分あれば十分です。大事なのは分析の精度より、同じ形式で毎週並べること。並べて初めて「これは季節要因」「これはうちの問題」の区別がつくようになります。
| 落ちている数字 | まず見る場所 | 次に打つ一手 |
|---|---|---|
| アクセス | 検索順位・流入キーワード | 商品名と検索軸の見直し |
| 転換率 | ページ上部・レビュー・価格 | ファーストビューの作り直し |
| 客単価 | 同梱・セット・送料ライン | まとめ買い導線の追加 |
この表を印刷して席の横に貼っておくだけでも、「数字は見たけど何もしなかった週」がぐっと減りますよ。もう少し踏み込んで転換率を上げたい方は楽天のCVR改善ガイドを、キーワード側から攻めたい方はキーワード戦略の記事も合わせて読んでみてください。
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