ブランディング2026.11.07TWELVE

ブランドコンセプトの作り方、売れる会社は何から決めてる?

ブランドコンセプトの作り方、売れる会社は何から決めてる?

ブランドコンセプトの作り方は?売れる会社は何から決める?

ブランドコンセプトは、言葉を考える前に3つの材料を集めて、5つの手順で一文にまとめるのが近道なんです。材料は「レビューや問い合わせでお客さまが使った言葉」「リピーターがまた買ってくれた理由」「社内でこれだけは譲れないこと」の3つです。そのうえで、①顧客像を一人に絞る、②選ばれる理由をひとつだけ言葉にする、③競合の商品ページと比べて違いを探す、④「〈誰〉が〈どんな場面〉で〈何を得られる〉ブランド」の型で一文にする、⑤商品ページで試して直す、の順に進めます。

コンセプトは「誰に・何を・どう感じてほしいか」を示す、迷ったときの判断基準です。「上質」「安心」のような抽象語は競合でも言えてしまうので、具体的な場面の言葉に言い換えてみてください。

「ブランドコンセプトを作りたいけれど、何から決めればいいのか分からない」。そんなお悩み、実はとても多いんです。言葉をきれいに整えたのに、商品ページにもSNSにも活かせないまま止まってしまった…という経験、ありませんか?

この記事では、楽天・Amazon・Yahoo!で売れているブランドが最初に何を決めているのかを軸に、ブランドコンセプトの作り方を手順で整理しました。よくある失敗パターンも一緒にお伝えするので、自社の言葉づくりにそのまま使ってみてください。

ブランドコンセプトが決まらないのはなぜ?

ブランドコンセプトが決まらないのは、言葉のセンスが足りないからではないことが多いんです。「誰が、なぜ自社を選んでくれているのか」という材料が手元にないまま言葉を探すと、どうしても誰にでも当てはまる一文に落ち着いてしまいます。まずは、自社がどこでつまずいているのかを確かめるところから始めてみてください。

会議室のホワイトボードに「上質」「安心」「こだわり」「毎日に寄り添う」といった言葉が並んで、みんなで並べ替えたり言い換えたりしているうちに時間が過ぎていく。そんな経験、ありませんか?最後にできあがった一文は悪くないのに、競合の商品ページに貼っても違和感がない。この「どこかで見たことがある感じ」に悩んでいる担当者さんは、本当に多いんです。

私たちが実際の案件でご一緒するときも、最初に見せていただく案はきれいに整っていることがほとんどです。それでも決めきれないのは、言葉を磨く前の材料が足りていないから。参加者それぞれの思いを全部入れようとすると角が取れて、結果として誰の心にも引っかからない言葉になってしまうんですよね。

よくある症状と、その裏で足りていない材料をまとめてみました。

よくある症状足りていない材料手元で集められる場所
形容詞ばかりが並ぶお客様が実際に使った言葉レビュー、問い合わせ履歴、SNSの投稿
「誰向けか」が書けない何度も買ってくれる人の具体的な姿購入履歴、リピーターの声
競合との違いが出ない他ではなく自社を選んだ理由購入後アンケート、レビューの中の比較表現
社内で意見が割れる「やらないこと」の合意過去に見送った企画、お断りした依頼

表を見て「うちはこれかも」と思うところがあれば、そこが入口になります。特に見落としやすいのが、お客様の言葉そのものです。社内では「高品質」と呼んでいる特長が、レビューでは「洗っても型崩れしない」「家族に褒められた」と書かれていることはよくあります。こうした生の言葉のほうが、ずっと具体的で伝わりやすいんです。

試しに、次の3つにすぐ答えられるか確かめてみてください。

どれかで手が止まったら、言葉をこねるより先に材料集めに戻るサインです。コンセプトを「お客様との約束」として考える視点は、ブランディングは「約束」から始まるの記事でも詳しくお話ししています。

材料がそろえば、言葉は驚くほど自然に絞れていきます。決まらないのは、あなたのチームに力がないからではありません。順番を少し入れ替えるだけで、自社らしい一文にぐっと近づけるはずです。

ブランドコンセプトとは何?ブランドストーリーやミッションと何が違う?

ブランドコンセプトは、「誰に・何を・どう感じてほしいか」を短い言葉にまとめた、ブランドの判断基準なんです。ブランドストーリーが「なぜ始めたのか」を伝える物語、ミッションが「会社として何を果たすのか」という約束だとすると、コンセプトは日々の迷いに答えを出す物差しにあたります。この三つの役割を分けておくだけで、言葉づくりがぐっと進めやすくなりますよ。

コンセプトを作るときは、次の三つを一つずつ埋めていきます。

たとえば「忙しい朝でも、自分を後回しにしない気持ちになれるスキンケア」のように書けると、誰に・何を・どんな気持ちで、がひと目で伝わりますよね。

よくあるのが、コンセプト・ストーリー・ミッションを一つの文章に全部詰め込んでしまうパターンです。創業の思いも、社会への約束も、商品の特長も入った長い文章は、読むと素敵なのに、いざ現場で使おうとすると何も決められないんです。役割を並べると、違いがわかりやすくなります。

言葉答える問い主な使いどころ
ブランドコンセプト誰に・何を・どう感じてほしいか商品ページの写真選び、SNS投稿の言葉、施策を「やる・やらない」の判断
ブランドストーリーなぜこのブランドが生まれたのかブランド紹介ページ、発売時の告知、ファンとの関係づくり
ミッション会社として社会に何を果たすのか会社案内、採用、社内の方針づくり

うちのチームが案件で実感しているのは、コンセプトは「迷ったときに開くもの」として作ると機能する、ということなんです。たとえば値引きクーポンを出すか迷ったとき、「この人にこう感じてほしい」という基準に照らせば、出す・出さない・出し方を変える、の答えが自然と見えてきます。楽天やAmazonの商品ページで、メイン画像を明るい生活シーンにするか、成分を前に出すかで揉めたときも同じですよ。

ストーリーは、コンセプトに体温を与える役割です。「なぜこの人のために作ったのか」が伝わると、同じ商品でも選ばれる理由が深くなります。作り方はブランドストーリーの作り方でくわしくまとめています。また、コンセプト・ストーリー・ミッションをどの順番で整えて、どう施策につなげるかの全体像はブランディング戦略の基本もあわせて読んでみてください。

三つの言葉は、どれが上でどれが下というものではありません。それぞれの役割が分かれていれば、社内の会話も「どの言葉に照らして考える?」とシンプルになっていきます。まずはコンセプトの三要素を、手元のメモに書き出すところから始めてみてくださいね。

ブランドコンセプトの作り方、売れる会社は何から決めてる?のポイントを4コマでまとめたイラスト

作り始める前に、どんな材料を集めておけばいい?

ブランドコンセプトの材料は、会議室で考えるより先に「お客さまがすでに使っている言葉」と「社内で譲れないこと」の中にあるんです。レビューや問い合わせの言葉、リピーターの購入理由、社内のこだわりの3つを集めておくと、言葉選びで迷う時間がぐっと減ります。まずは集めるところから、一緒に整理してみましょう。

材料どこで集める?見るポイント
レビュー・問い合わせの言葉各モールのレビュー欄、問い合わせ履歴、SNSのコメントお客さまが自分の言葉で書いた「褒め方」と「不安」
リピーターの購入理由リピーターのレビュー、同梱アンケート、メルマガの返信他の商品に乗り換えなかった理由
社内の「これだけは譲れない」社長・企画・製造・CSへのヒアリングコストがかかっても続けていること

手順1:レビューと問い合わせは「そのままの言葉」で書き出す

レビューを読むときは、星の数より文章の中身に注目してみてください。「香りが強すぎないから職場でも使える」「箱がかわいくてそのまま渡せた」など、お客さまが使った言い回しをそのままスプレッドシートに貼っていきます。ここで要約してしまうと、せっかくの生っぽさが消えてしまうんです。問い合わせ履歴にも「サイズ感がわからない」「本当に敏感肌でも大丈夫?」といった、買う前の迷いがたくさん眠っています。低評価のレビューも捨てずに残しておくと、「誰に向いていないか」がはっきりしてきますよ。

手順2:リピーターが「なぜまた買ったか」を拾う

初回購入の理由は、価格やセールに引っ張られていることも多いですよね。でも2回目以降の理由には、ブランドの本当の強みが出やすいんです。リピーターのレビューを抜き出して読んだり、同梱物やメルマガで「続けてくださっている理由」をひとこと聞いてみたりしてみてください。楽天に出店している場合は、無料で使える分析ツールでリピート購入の傾向をある程度つかめます。どこまで見られるかは楽天の無料分析ツールで見られる範囲にまとめているので、あわせて確認してみてください。

手順3:社内の「譲れない」は部署ごとに聞く

社長だけに聞くと、想いは強くても現場とずれることがあるんです。うちのチームでは、企画・製造・カスタマー対応の方にも「手間がかかってもやめないことは?」と聞くようにしています。実際の案件では、梱包担当の方のこだわりがそのままブランドの約束になったこともありました。

よくある失敗パターン

材料集めは地味に見えますが、ここが丁寧なほど、あとで出てくるコンセプトがお客さまにまっすぐ届くんです。まずは直近のレビューを読み返すところから、気軽に始めてみてくださいね。

ブランドコンセプトの作り方|現場で使う手順

ブランドコンセプトは、「誰に」「なぜ選ばれるのか」「ほかと何が違うのか」を順番に決めて、最後に一文へまとめていきます。私たちは、できた一文をすぐ商品ページに載せて、お客さまの反応を見ながら直しています。ここでは5つの手順と、それぞれで迷いやすいポイントをお伝えしますね。

手順1:顧客像を一人に絞る

最初に決めるのは「誰に届けるか」です。「20〜30代の女性」のように幅を持たせると、言葉がどうしても平均的になってしまうんですよね。うちのチームでは、レビューや問い合わせを読み返して、「仕事帰りの電車でスマホを見ながら比べて、夜のうちに買う人」のように、一日の過ごし方まで浮かぶ一人を描きます。

ここでの迷いどころは「絞ったら、ほかのお客さまを逃すのでは」という不安です。実際の案件では、一人に向けて書いた言葉のほうが、その人に似た周りの人にも届きやすいと感じています。

手順2:選ばれる理由を言語化する

次に、その一人がなぜこの商品を選んだのかを言葉にします。大事なのは、作り手が伝えたい強みよりも、お客さまが実際に口にした理由を拾うことです。「成分にこだわっている」よりも「朝の支度がひとつ減った」のように、生活の変化として語られている声に注目してみてください。

よくある失敗は、理由をいくつも並べてしまうことです。どれも本当のことでも、並べるほど印象はぼやけます。いちばん多く出てくる理由をひとつ選ぶことが大切なんです。

手順3:競合と比べて言える違いを探す

選ばれる理由が見えたら、同じカテゴリの商品ページを並べて、その理由がほかでも言われていないかを確かめます。「高品質」「肌にやさしい」のように、どのお店でも使われている言葉は、残念ながら違いにはなりません。

違いが見つからないときは、機能ではなく、使う場面や届け方、話しかけ方に目を向けてみてください。同じ機能でも、「誰の、どんな瞬間のための商品か」で差はつくれるんです。

手順4:一文にする

ここまでの材料を「〈誰〉が〈どんな場面〉で〈何を得られる〉ブランド」という型に当てはめて、一文にまとめます。最初からきれいに書こうとせず、言い回しの違う案をいくつも出して、声に出して読み比べるのがおすすめです。

つまずきやすいのは、かっこよさを優先して意味が伝わらなくなるパターンです。社外の人が読んで、商品を見なくても中身を想像できるかを基準にしてみてください。言葉づかいのそろえ方はブランドの言葉づかいを統一する方法でも詳しく書いています。

手順5:商品ページで試す

一文ができたら、キャッチコピー、画像の一枚目、説明文の冒頭に反映させます。コンセプトは社内資料に置いておくだけでは答え合わせができません。お客さまの目に触れて、初めて伝わっているかどうかがわかるんです。

見るポイントは、転換率の動きに加えて、レビューや問い合わせに出てくる言葉の変化です。コンセプトに近い言葉でお客さまが語ってくれるようになったら、ちゃんと届いているサインですよね。ページの直し方は楽天の商品ページで転換率を上げる方法も参考にしてみてください。

一度で完成させなくても大丈夫です。試して、直して、を重ねるほど、ブランドらしい言葉に育っていきますよ。

よくある失敗パターンは?「映え」だけの言葉になっていない?

ブランドコンセプトづくりでつまずく原因の多くは、「きれいな言葉を並べたのに、誰にも何も伝わっていない」状態なんです。よくある失敗は、抽象語の積み重ね、ターゲットの広げすぎ、社内でしか通じない言葉、見た目の雰囲気先行の4つ。どれも、言葉を書いたあとに「お客さまが読んで、何が変わる?」と問い直すだけで防げます。

手順どおりに進めても、できあがった一文を見て「なんだか、どこのブランドにも言えそう…」とモヤっとすること、ありますよね。うちのチームが実際の案件で見直しをお手伝いするときも、引っかかるポイントはだいたい決まっているんです。

1. 抽象語を積み重ねてしまう
「上質で、やさしく、自分らしい毎日に寄り添う」のように、感じのいい形容詞を重ねるほど中身が薄くなります。「上質」も「やさしい」も、競合が使っても成り立ってしまう言葉なんです。抽象語を1つ使ったら、「誰の・どんな場面で・何がどう変わるのか」を具体的に言い換えてみてください。たとえば「やさしい」なら、「朝の洗顔でつっぱらない」まで落とし込めると、商品ページやSNSの投稿にもそのまま使える言葉になります。

2. ターゲットを広げすぎてしまう
「すべての女性に」「年代を問わず」と書きたくなる気持ちはよくわかります。売上の可能性を狭めたくないですもんね。でも、全員に向けた言葉は、結局だれの心にも刺さりにくいんです。まずは「いちばん喜んでくれる一人」を決めて、その人に向けて書いてみてください。結果的に、近い価値観の人たちが自然と集まってきてくれます。

3. 社内でしか通じない言葉を使ってしまう
開発中の呼び名や、「高浸透処方」「独自配合」といった業界寄りの言葉は、作り手には当たり前でも、お客さまにはピンとこないことが多いんです。レビューや問い合わせに出てくる「お客さまが実際に使っている言葉」に置き換えるのがおすすめです。社外の友人に読んでもらって、説明なしで伝わるか試すのも効果的ですよ。

4. 見た目の雰囲気が先に決まってしまう
くすみカラーやおしゃれなロゴが先に固まり、コンセプトの言葉はあとから雰囲気に合わせて書いた、というケースもよく見かけます。見た目が素敵でも、言葉の芯がないと、デザインを変えたとたんにブランドの軸までぶれてしまうんです。20代女性は「映え」だけでなく、その奥にある姿勢までしっかり見ています。このあたりは20代女性は「映え」だけでは選ばない理由でくわしくお話ししています。

失敗パターンよくある症状見直しの問い
抽象語の積み重ね競合の名前に差し替えても成り立つどんな場面で、何が変わる?
ターゲットの広げすぎ誰に向けた言葉か説明できないいちばん喜ぶ一人は誰?
社内でしか通じない言葉社外の人に意味を聞き返されるお客さまはこれを何と呼んでいる?
見た目の雰囲気先行デザインを変えると軸もぶれる言葉だけで世界観が伝わる?

言葉の芯が決まったら、それをデザインにどう落とし込むかも大切なステップです。女性向けブランディングのデザインの考え方もあわせて読んでみてください。失敗パターンを知っているだけで、コンセプトはぐっと強くなります。焦らず、一つずつ言葉を磨いていきましょう。

決めたコンセプトを商品ページやSNSにどう落とし込む?

決めたコンセプトは、そのまま文章として貼り付けても、なかなか伝わらないんです。商品ページなら「画像の最初の3秒」「商品名と説明文」、SNSなら「投稿のトーン」というように、置く場所ごとに言い換えることが大切です。ここでは20代女性向けのスキンケアを例に、うちのチームが現場でやっている落とし込み方をご紹介しますね。

例として、コンセプトを「忙しい朝でも、自分を後回しにしない」と決めたブランドを考えてみます。この一文を、それぞれの場所で次のように言い換えていきます。

落とし込む場所言い換えの考え方具体例
画像の最初の3秒コンセプトが生まれる「場面」を見せる出勤前の洗面台で、片手でさっと使っている手元
商品名・キャッチ機能より先に「得られる気持ち」を置く「朝の1ステップで、私をちゃんと整える」
説明文根拠を、読み手の生活の言葉で説明する「化粧水と乳液をまとめたので、時間がない日も省かずにすみます」
SNS投稿のトーンコンセプトを「口ぐせ」にする「今日もえらい」「自分のための5分」など、肯定する言葉を軸にする

画像の最初の3秒では、商品の全体像より先に「誰の、どんな瞬間のための商品か」が伝わることを優先してみてください。20代女性はスクロールしながら一瞬で「私のことかな?」を判断するので、ここで場面が見えないと、どんなに良い説明文も読まれないまま離れてしまうんです。具体的な見せ方は20代女性に届く「最初の3秒」の作り方で詳しくまとめています。

商品名と説明文は、コンセプトの言葉をそのまま入れるより、その言葉を「証明する一文」を添えるイメージで書くと伝わりやすくなります。モールの商品名は検索のための言葉も必要なので、キーワードは残しつつ、キャッチコピーや説明文の冒頭でコンセプトを担当させる、という役割分担がおすすめです。

SNS投稿では、毎回コンセプトを説明しなくて大丈夫なんです。むしろ、使う言葉・使わない言葉を決めておくほうが効きます。うちのチームでは、次のような簡単なルール表を最初に作ります。

気をつけたいのは、商品ページとSNSで言っていることがずれてしまうパターンです。SNSでは「自分を大事に」と語っているのに、商品ページでは値引きばかりを押し出していると、「結局どっちなの?」と感じさせてしまいます。こうしたずれが離脱につながる流れは、20代女性がブランドから離れてしまうNG行動でも取り上げていますので、あわせて読んでみてください。

コンセプトは、決めたあとに「どう言い換えるか」まで考えて、はじめて売り場で働いてくれる言葉になります。まずは商品ページのメイン画像一枚から、コンセプトの場面が見えるかどうかを見直してみてくださいね。小さな言い換えの積み重ねが、ちゃんと選ばれるブランドを育ててくれますよ。

まとめ

ブランドコンセプトは、最初から完璧な一文を作るものではないんです。売り場やSNSで試し、お客さまの反応を見ながら磨いていく「判断基準」として育てていくもの。迷ったら、まずは自社と競合のレビューを読むところから始めてみてください。

ここまで、コンセプトが決まらない理由から、材料集め、作る手順、失敗パターン、商品ページやSNSへの落とし込みまでお話ししてきました。振り返ってみると、どの節にも共通していたのは「コンセプトは飾る言葉ではなく、迷ったときに立ち戻る物差し」という考え方なんです。

社内で何度も会議を重ねて、全員が納得する完璧な一文を作ろうとすると、どうしても手が止まってしまいますよね。うちのチームが現場で感じているのは、七割くらいの完成度で一度売り場に出してみたほうが、結果的に早く良いコンセプトにたどり着くということです。実際の案件でも、最初の言葉のままずっと使い続けているブランドはほとんどありません。商品ページの見出しやSNSの投稿で試してみて、反応が良かった表現を拾い、ズレていた部分を削っていく。その繰り返しで、少しずつ「自分たちらしい言葉」になっていくんです。

磨き続けるときに、私たちが意識しているポイントをまとめておきますね。

反応の見方をもう少し深めたい方は、ブランディングの効果をどう測るかをまとめたコラムも参考にしてみてください。言葉を大きく作り直すべきか迷ったときは、リブランディングの判断基準も役に立つはずです。

「何から手をつければいいかわからない」という方に、私たちがいちばんおすすめしたいのは、今日、自社の商品レビューを読んでみることなんです。星の数ではなく、お客さまが書いてくれた文章そのものに目を通してみてください。「なぜ買ったのか」「何が嬉しかったのか」「どこにがっかりしたのか」。そこには、会議室では出てこなかったブランドの本当の価値が、お客さま自身の言葉で書かれています。レビューの集め方や活かし方は、レビュー施策のコラムでも詳しく紹介しています。

コンセプト作りは、お客さまと自分たちの関係を言葉にしていく、とても前向きな作業です。一度で決めきろうと気負わずに、売り場で試しながら、チームみんなで少しずつ育てていきましょう。その積み重ねが、価格ではなく「このブランドだから選ぶ」と言ってもらえる未来につながっていくはずです。

よくある質問

Q. ブランドコンセプトとブランドストーリー・ミッションの違いは?

A. コンセプトは「誰に・何を・どう感じてほしいか」を短くまとめた判断基準で、商品ページの写真選びやSNSの言葉、施策をやるかどうかの判断に使います。ストーリーは「なぜこのブランドが生まれたのか」を伝える物語で、ミッションは「会社として社会に何を果たすのか」という約束です。一つの文章に詰め込まずに役割を分けておくと、現場で使いやすくなります。

Q. ブランドコンセプトが決まらないのはなぜ?

A. 言葉のセンスではなく、材料が足りていないことが多いんです。「誰が、なぜ自社を選んでいるのか」が手元にないまま言葉を探すと、誰にでも当てはまる一文になりがちです。「いちばん大切なお客様はどんな場面で使っているか」「なぜうちを選んでくれたのか」「売上のためでもやらないことは何か」に答えられなければ、材料集めに戻ってみてください。

Q. ターゲットを一人に絞ると、ほかのお客さまを逃しませんか?

A. そう不安になるのは自然なことです。ただ、「20〜30代の女性」のように幅を持たせると言葉が平均的になって、誰の心にも刺さりにくくなります。実際の案件では、一日の過ごし方まで浮かぶ一人に向けて書いた言葉のほうが、その人と価値観が近い人にも届きやすいと感じています。まずは「いちばん喜んでくれる一人」を決めてみてください。

Q. 作ったブランドコンセプトが伝わっているかはどう確かめる?

A. キャッチコピー、画像の一枚目、説明文の冒頭に反映させて、お客さまの反応を見てみてください。転換率の動きに加えて、レビューや問い合わせに出てくる言葉の変化が目安になります。お客さまがコンセプトに近い言葉で語ってくれるようになったら、ちゃんと届いているサインです。一度で完成させようとせず、試して直すことを重ねていきましょう。

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