採用・組織2026.08.15TWELVE

20代女性に「ここで働きたい」と思わせる採用ページの作り方

20代女性に「ここで働きたい」と思わせる採用ページの作り方

「うちの採用ページ、社長のメッセージも載せているし、オフィスの写真もおしゃれに撮ってもらったのに、なぜか20代の応募が増えない」。採用担当の方からこういうご相談をいただくこと、うちのチームでも実はよくあるんです。実際にそのページを一緒に開いてスクロールしてみると、理由がなんとなく見えてくることが多いなと感じています。情報量としては十分足りているのに、求職者が本当に知りたいことになかなかたどり着けない並び順になっているケースが目立つんですよね。デザインをおしゃれにする、写真を撮り直す、コピーを整える。手を入れる場所として真っ先に思いつくのはこのあたりですが、実は一番効いてくるのは、その手前にある「何を、どの順番で並べるか」という構成の部分だったりします。この記事では「働きやすさをどうアピールするか」という話ではなく、採用ページというページそのものの並び順・写真・文章を、実際に20代女性がスクロールを止める場所を軸にゼロから組み直す方法についてお話ししていきます。

採用ページで20代女性が見ているのは「会社の説明」じゃない

採用ページを作るとき、つい「会社について知ってもらう」ことを目的にしてしまいがちです。会社概要、事業内容、代表からのメッセージ。並んでいる情報自体はどれも間違っていなくて、会社を紹介する文章としては十分成立しているんです。ただ、20代女性の求職者がそのページを開いてスクロールしている場面を想像してみると、彼女たちが知りたいのは「この会社が何をしているか」以上に、「この会社で働いたら、自分の日常がどう変わるか」なんですよね。会社の説明として正しいページと、求職者に刺さるページは、同じ内容を扱っていても別物になることが多いです。

採用ブランディングというと、まず「会社としての姿勢をどう伝えるか」「経営者がどんな言葉で語るか」という土台の部分に目が向きがちで、うちのチームも以前求人を出しても応募が来ない会社に足りないもので、その土台づくりについてお話ししたことがあります。ただ、姿勢や理念がどれだけ整っていても、それを載せる「ページ」そのものの並び順や見せ方が求職者の目線とずれていたら、伝わる前に離脱されてしまうんです。今回はその土台の話ではなく、実際にページを開いた20代女性がどこで指を止め、どこで離脱するのかという、ページの設計そのものに絞ってお話ししていきます。

就職活動中の20代女性は、求人サイトの一覧から気になった会社を何社かまとめてタブで開き、比較しながら見ていくことが多いです。1社ずつじっくり読み込むというより、パッとスクロールして「自分に関係がありそうか」を数秒で判断し、ピンと来なければすぐ次のタブに移ってしまう。「この会社、なんかよさそうかも」と指が止まる瞬間があるかどうかは、書いてある内容の良し悪し以前に、最初にどんな情報が目に入るかで大きく変わってくるんです。同じ業界の会社を3社、4社と続けて見ていると、どのページも似たような言葉で書かれていることに気づく瞬間があって、そこで違いを出せるかどうかが最初の分かれ目になります。

だからこそ、採用ページを作るときに最初に考えるべきなのは「何を書くか」ではなく「何を、どの順番で見せるか」だと感じています。同じ情報を持っていても、並べ方ひとつで受け取られ方がまったく変わってしまうんですよね。福利厚生や条件の良さをどれだけ丁寧に書き込んでも、それだけでは埋まらない部分があって、そこを埋めるのが構成そのものの見直しです。次の章から、実際に20代女性がスクロールを止める場所を具体的に見ていきましょう。

20代女性がスクロールを止める5つの場所

うちのチームは日頃からEC・SNSまわりの発信に関わることが多く、その延長でクライアント企業の採用ページについて相談を受ける機会も増えてきました。いろいろな採用ページを見比べてきた中で、20代女性の指が止まりやすいと感じる場所には、共通するパターンがあります。それが次の5つです。福利厚生の手厚さや条件の良さではなく、この5つが具体的に書かれているかどうかで、ページの「刺さり方」が変わってくる感覚があります。まずは表にまとめてみたので、自社のページに置き換えながら見てみてください。

項目NGOK
1日の流れ「風通しの良い職場です」で終わる出社から退社まで、時間軸で具体的に書く
一緒に働く人笑顔の集合写真だけ名前・役割・入社理由・本人の言葉を添える
入社1年目が実際にやったこと「充実した研修制度があります」で終わる最初の数ヶ月で任された具体的な業務を書く
数年後の自分昇進モデルの図だけ2〜3年目の先輩が今何をしているかを実例で書く
できないこと・大変なこと一切書かない正直に書いた上で、それでも良いところまで書く

この5つに共通しているのは、「好条件アピール」ではなく「解像度」だということです。給与や待遇のように条件面を良く見せる工夫はもちろん大事ですが、それだけでは「この会社で働く自分」の姿が思い浮かばないんですよね。1日の流れや一緒に働く人が具体的に書かれているページほど、読んでいる側が自分をその場面に重ねやすくなる感覚があります。逆に言うと、どれだけ好条件でも、抽象的な言葉だけで説明されているページは、他社の採用ページと見分けがつかなくなってしまいやすいんです。

たとえば、ある20代女性が採用ページを読んでいて、「これ、来週の私だ」と思える一文に出会えたとします。そうなると、そこから先の情報も自分ごととして読み進めてもらいやすくなるんです。逆に、条件やアピールポイントだけが並んでいるページだと、「へえ、そうなんだ」で終わってしまい、次のタブに移られてしまう。同じ「土日休み・年間休日120日」という条件を書くにしても、それだけで終わるページと、その休みをどう過ごしているスタッフが多いかまで書いてあるページとでは、読んだあとに残る印象がまったく違ってくるんですよね。この差は、書いてある情報の量ではなく、具体性の差から生まれていることが多いなと感じています。

次の章では、この5つがきちんと書かれていない採用ページに共通する「並び順」のクセを、実際によくあるパターンに分解しながら見ていきます。自社の採用ページを頭に思い浮かべながら、当てはまる部分がないか照らし合わせて読んでみてください。意外と1つや2つは心当たりがある、という会社が多いんじゃないかなと感じています。

よくあるNGな採用ページの並び順を分解する

実際にいろいろな採用ページを見せてもらう中で、驚くほど共通して出会うNGパターンが3つあります。1つ目が「社長挨拶が最上部」、2つ目が「イメージ写真だけで終わる」、3つ目が「募集要項の条件だけが並ぶ」という並び順です。作っている側からすると自然な流れに見えるのですが、20代女性の求職者目線で見ると、実はどれもスクロールを止める理由になっていないんです。1つずつ、なぜそうなってしまうのかを見ていきましょう。

まず「社長挨拶が最上部」パターンから見ていきます。会社の想いを最初に伝えたい、という気持ちはとてもよく分かるのですが、ページを開いてすぐ長文の挨拶文が続くと、20代女性の求職者は「この会社で働く自分」をイメージする前に離脱してしまいやすいんです。実際、長い挨拶文を最後まで読まずにスクロールバーを一気に下まで動かしてしまう、という動き方をする人も少なくありません。社長の言葉自体が悪いわけではなく、一番最初に置く場所として合っていない、というのがここでの問題です。伝えたい気持ちが強いページほど、この順番になりやすい傾向があるように感じています。

次に「イメージ写真だけで終わる」パターンです。笑顔で並んで写っている社員の写真は、雰囲気の良さを伝える上では悪くないのですが、名前もコメントも添えられていないと、「この写真、他の会社のページでも見たことある気がする」という印象になってしまいがちです。誰が、どんな気持ちでそこに立っているのかが分からない写真は、雰囲気は伝わっても、求職者が自分を重ねる手がかりにはなりにくいんですよね。撮影自体にはコストも時間もかけているはずなのに、そのわりに記憶に残りにくいというのは、なんとももったいない話だなと感じています。

最後に「募集要項の条件だけが並ぶ」パターンです。給与・勤務時間・待遇といった条件は、もちろん求職者にとって大事な判断材料です。ただ、感情的な文脈がまったくないまま条件だけがずらっと並んでいると、「求人票を読んでいる」という感覚のまま終わってしまい、「この会社に入りたい」という気持ちにはなかなかつながりにくいんです。条件は大事な情報だからこそ、どのタイミングで見せるかが重要になってきます。同じ条件を書くにしても、その前に何を読ませているかで、受け取られ方はまったく違ってくるんですよね。

直したあとの並び順を組み直す

前の章で見た3つのNGパターンに共通しているのは、「会社が伝えたい順番」で情報を並べてしまっていることです。会社の歴史から始まり、条件は最後に添えるだけ、という順番は、社内資料としては自然な流れかもしれません。ここからは、それを「20代女性が知りたい順番」に組み直すとどうなるかを、具体的な並び順で見ていきます。

順番従来のNGな並び順組み直した並び順
1社長挨拶(長文)キャッチコピー+実際の職場の写真・動画
2会社概要・沿革一緒に働く人(名前・役割・入社理由・コメント)
3イメージ写真(脈絡なし)1日の流れ(時系列で具体的に)
4福利厚生一覧入社1年目が実際にやったこと
5先輩社員インタビュー(形だけ)数年後の自分(先輩の実例・キャリアパス)
6募集要項(条件のみ)できないこと・大変なことの開示
7エントリーボタン募集要項・エントリー

この並び順で大事なのは、社長挨拶や会社概要を消してしまうわけではない、というところです。それらは会社にとって大事な情報なので、なくす必要はまったくありません。ただ、一番最初に置く場所ではなく、求職者が「この会社が気になる」と思ったあとに読む、後半のパートに移動させるだけで、ページ全体の印象がかなり変わってくるんです。会社概要や沿革に興味を持つのは、多くの場合「この会社が気になり始めたあと」の求職者です。順番を後ろに動かすだけで、同じ文章でも読まれ方が変わってきます。

募集要項や条件面についても同じで、後ろの方に置いたからといって、求職者に届かなくなるわけではありません。むしろ、1日の流れや一緒に働く人、入社1年目のリアルを先に読んで「ここで働きたいかも」という気持ちが少し育ったあとに条件を見てもらうほうが、同じ給与・待遇の数字でも受け取られ方が前向きになりやすい感覚があります。数字自体は変わらなくても、読むタイミングが変わるだけで、その数字にどれだけの納得感を持てるかが変わってくるんですよね。

すべてを一気に作り直す必要はなくて、まずは今あるコンテンツの並び順だけを入れ替えてみる、というところから始めても十分効果を感じやすいはずです。写真を撮り直したり、新しいコンテンツをゼロから作ったりする前に、まずは今あるものの順番を入れ替えてみる。それだけでも、ページを開いたときの第一印象は大きく変わってくるはずです。次の章からは、この並び順の中でも特に上位に置きたい「1日の流れ」と「一緒に働く人」を、具体的にどう書くかを見ていきましょう。

「1日の流れ」と「一緒に働く人」を解像度高く見せる

並び順を組み直しても、中身が抽象的なままだと結局「なんとなく良さそうな会社」で終わってしまいます。この2つは、順番を変えるだけでは効果が出にくく、中身の書き方まで手を入れて初めて機能するパーツでもあります。ここからは、上位に置いた「1日の流れ」と「一緒に働く人」を、実際にどう書けば解像度が上がるのかを具体的に見ていきます。

1日の流れは「時間割」ではなく「感情の動き」で書く

「1日の流れ」というと、9時出社、12時に昼休憩、18時に退社、というような時間割をそのまま書いてしまいがちです。もちろん時間の目安は必要なのですが、それだけだとどんな仕事にも当てはまる説明になってしまい、その会社らしさが伝わりにくいんですよね。おすすめなのは、時間割に加えて、その時間帯にどんな感情の動きがあるかまで書くことです。たとえば「10時からのミーティングは正直ちょっと緊張する場面もあるけれど、終わったあとにチームで雑談する時間が地味に息抜きになっている」というように、少し本音寄りの一文を添えるだけで、読んでいる側の想像がぐっと具体的になります。

1日の流れを一人称に近い文体で書くのも効果的です。「〇〇部では、こんな1日を過ごしています」という説明文よりも、実際にそこで働いている人の言葉として「今日はこんな感じでした」と語られているほうが、読んでいる20代女性にとっては自分ごととして読みやすくなります。忙しい日と落ち着いている日、両方の1日を用意しておくと、より実態に近い印象を持ってもらいやすくなるはずです。

「一緒に働く人」は写真より発言を主役にする

「一緒に働く人」のパートでよくあるのが、写真と名前・部署・入社年だけを載せて終わってしまうパターンです。これだと、誰がどんな人なのかが伝わりにくく、単なる社員名簿のようになってしまいます。ここで大事なのは、写真よりもその人自身の言葉を主役にすることです。たとえば「面接で聞かれた質問より、面接官が笑った瞬間の方が印象に残っています」というような、その人らしさが出るコメントを一言添えるだけで、急に人柄が伝わってくるんですよね。

このパートは、社員が実際に話しているような温度感で書けるかどうかがすべてだと感じています。ここでSNSの発信と採用ページのトーンがバラバラだと、同じ会社なのにまるで別の人格が運営しているように見えてしまうことがあります。SNSと採用ページでブランドボイスを揃える具体的な手順はSNSと採用ページで別人になる会社|ブランドボイスを揃える手順でも詳しく触れているので、気になる方はあわせて読んでみてください。1日の流れと一緒に働く人、この2つが具体的に書けているだけで、ページ全体の解像度は大きく変わってきます。

「入社1年目のリアル」「数年後の自分」「できないことの開示」で信頼をつくる

ここまでの「1日の流れ」「一緒に働く人」が今の職場の解像度を上げるパーツだとすると、ここから紹介する3つは、少し先の未来まで見せるためのパーツです。20代女性の求職者が採用ページを読みながら心の中で聞いているのは、「この会社に入ったら、私はこの先どうなっていくんだろう」という問いだと感じています。この問いに答えられているページと、条件だけで終わっているページとでは、読み終えたあとの納得感がまるで違ってきます。

入社1年目の「実際にやったこと」を具体的に書く

「研修制度が充実しています」という一文だけでは、入社後の実際のイメージはほとんど湧いてきません。おすすめなのは、実在する社員の入社1年目を、具体的なエピソードとして書くことです。たとえば「入社して2週間で最初に任されたのは〇〇という業務で、正直最初はうまくできずに先輩に助けてもらいながら覚えていった」というように、うまくいかなかった部分も含めて書くと、逆にリアリティが増します。完璧にこなした話よりも、つまずきながら成長した話のほうが、20代女性の求職者には自分と重ねやすい内容になることが多いんです。

数年後の自分が想像できる「先輩の実例」を置く

昇進モデルの図やキャリアパスの図だけを載せているページもよく見かけますが、図だけだと自分がその道を歩む姿までは想像しにくいものです。それよりも、入社2〜3年目の先輩が「1年目はこんな業務から始めて、今はこんな仕事を任されている」という実例を、具体的な言葉で書くほうが効果的です。数年後の自分を想像できるかどうかは、給与テーブルの数字よりも、実在する先輩の歩んできた道のほうがずっと説得力を持つ感覚があります。

できないこと・大変なことを開示すると、なぜ信頼が上がるのか

採用ページというと、良いところだけを並べたくなる気持ちはとてもよく分かります。ただ、会社を良く見せようとするほど、入社後のギャップにつながりやすいという話は、以前会社を良く見せて採るほど、人は辞める|等身大で伝える採用でも詳しくお話ししました。採用ページの並び順においても同じことが言えて、大変な部分を一切書かないページよりも、正直に書いた上で「それでもここが良い」まで書いてあるページのほうが、結果的に長く働いてくれる人と出会いやすくなる感覚があります。

入社1年目のリアル、数年後の自分、できないことの開示。この3つが揃っているページは、読んでいる20代女性に「ここまで正直に書いてくれるなら、信用できるかもしれない」と感じてもらいやすくなります。逆にどれか1つでも欠けていると、良いことしか書いていない、どこか作られたページに見えてしまいやすいので、3つセットで考えてみてほしいところです。

まとめ

採用ページで本当に大事なのは、働きやすさを並べることでも、条件を魅力的に見せることでもなく、20代女性が実際にスクロールを止める場所を軸に、並び順そのものを組み直すことでした。社長挨拶を最上部に置かない、イメージ写真だけで終わらせない、条件だけを並べない。そのかわりに、1日の流れ、一緒に働く人、入社1年目のリアル、数年後の自分、できないことの開示という5つを、求職者が知りたい順番で見せていくことが、遠回りを避けるポイントだと感じています。会社が伝えたい順番から、求職者が知りたい順番へ。並べ方を変えるだけで、同じ情報でも受け取られ方がまったく違ってくるというのが、今回いちばんお伝えしたかったことです。

まずは自社の採用ページを開いて、今回の並び順の表と照らし合わせてみてください。すべてを一気に作り直す必要はなくて、今あるコンテンツを少し並べ替えるだけでも、ページ全体の印象は変わってくるはずです。社長挨拶を後ろに動かす、一緒に働く人の紹介に本人のコメントを1つ足す、募集要項の前に1日の流れを差し込む。どれも小さな作業ですが、積み重なるとページ全体の読まれ方が変わってきます。どこか1つの並び順を入れ替えてみるところから、気軽に始めてみてもらえたらうれしいです。

採用ページは一度作ったら終わりというものではなく、実際に応募してくれた人の声を聞きながら、少しずつ育てていくものだと思っています。入社してくれた人に「決め手は何でしたか」と聞いてみると、今回挙げた5つのどれかが答えとして出てくることも意外と多いはずです。うちのチームも、日々いろいろな会社の採用ページを見ながら、20代女性にとって「ここで働きたい」と思える瞬間がどこにあるのかを考え続けています。焦らず、自社のペースで整えていってもらえたらと思います。


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