
「20代女性向けにSNS発信を頑張るなら、まずスタッフの顔出しから」というアドバイスを聞いたことがある方は多いんじゃないかと思います。実際、顔が見える発信のほうが反応が良くなる場面は確かに多いんですよね。ただ、うちのチームがいろいろなブランドの発信を見てきて感じているのは、「顔出し=正解」で思考を止めてしまうのはもったいないということなんです。20代女性が反応しているのは、顔写真そのものというより「その奥にいる人の気配」であって、顔を出さなくても人格を伝える方法は、実はたくさんあります。今回は、顔出しに踏み切れない会社やBtoBの会社でも今日から動ける、人格の伝え方を具体的な粒度まで整理してみたいと思います。読み終える頃には、「うちでもできそう」と思える選択肢がいくつか見つかっているはずです。
うちのチームが日々いろんなアカウントの投稿を眺めていて感じるのは、20代女性が触れる情報量が単純にとても多いということなんです。フィードはアルゴリズムで次々に新しい投稿を差し込んでくるので、1つの投稿に触れている時間はほんの数秒ということも珍しくありません。そんな中で「株式会社◯◯です。新商品を発売しました」という発信だけを続けていると、情報としては正しくても、他の似たような投稿に埋もれてしまいやすいんですよね。数秒のスクロールの中で記憶に残るのは、情報の正確さよりも「あ、これ知ってる」「これ前にも見た」と思わせる引っかかりのほうだったりします。この引っかかりを作れるかどうかが、フォローするかどうかの分かれ目になっている印象があります。
その引っかかりを作っているのが、実は「人」の存在だったりします。人は元々、情報そのものよりも人に対して記憶を作りやすい性質があるので、投稿の向こうに誰かの気配を感じると、そのアカウントだけ記憶に残りやすくなるんですよね。うちのチームで運用に関わっているアカウントでも、「先週見たあの投稿、また新しいの出してないかな」とDMで聞かれることがあるんですが、思い返すとそのきっかけになった投稿はだいたい担当者の一言や体験談が乗っているものでした。社名やロゴだけの発信では、こうした「また見に来たくなる」引っかかりが生まれにくく、投稿のたびにフォロワーがゼロから興味を判断し直すような状態になりがちなんです。
もうひとつ大事なのが、20代女性は「企業からの情報」と「個人からの情報」を無意識に区別しながら情報に触れているという感覚です。企業アカウントからの発信は、広告やお知らせとして一歩引いて見られやすい一方、投稿の中に一人の人の考えや選び方が見えると、友人から聞いた話に近い距離感で受け取ってもらいやすくなる傾向があります。もちろんこれは「顔を出せば解決する」という単純な話ではなくて、投稿の中に「誰かの視点」がどれだけ含まれているかという話なんですよね。企業からのお知らせと、友人からのおすすめ、その中間くらいの距離感を作れるかどうかがポイントになってきます。
つまり、社名だけの発信が記憶に残りにくいのは、情報の質が低いからではなく、記憶の入り口になる「人の気配」が抜け落ちているからだと考えています。投稿の完成度を上げることに時間をかけるよりも、まずは「誰の言葉として届いているか」を点検するほうが、記憶に残るかどうかには直結しやすいと感じています。情報量を増やしたり、投稿の頻度を上げたりする前に、まずはこの「人の気配」が今の発信に足りているかを見直してみる価値があるはずです。この前提を持っておくと、次に紹介する「顔を出さずに人格を伝える方法」がなぜ効くのかも腹落ちしやすくなるはずです。
「顔が見えるようにしましょう」と言われると、多くの会社が「スタッフの写真をSNSに載せる」ことをまず思い浮かべるはずです。ただ、写真を載せることに抵抗があるスタッフがいたり、退職や異動のたびに投稿を差し替える手間があったり、そもそも顔出しを社内ルールで禁止していたりと、実際にはハードルが高いケースも多いんですよね。ここで「顔出しできないから、うちは人が見える発信は無理」と諦めてしまうのは、少しもったいないなと感じています。顔写真という一つの手段にこだわりすぎると、他にもある選択肢が見えなくなってしまうんです。
うちのチームが「人が見える」という言葉を使うときに指しているのは、実は顔写真の有無ではなく、投稿や対応の中に「特定の誰かの判断や言葉づかいが感じられるかどうか」なんです。たとえば、顔写真が一切登場しないアカウントでも、「今日届いた再入荷の連絡に、担当の私が思わずガッツポーズしました」という一文があるだけで、その先に人がいることは十分伝わりますよね。文章の語尾ひとつ、選んだ理由の書き方ひとつからでも、そこに人格は十分ににじみ出ます。むしろ写真がない分、文章や言葉づかいのほうに意識を向けやすくなるという側面もあるくらいです。
具体的には、①一人称のある文章、②名前入りの手書きカード、③スタッフが選んだ理由が書かれた紹介、④担当者の失敗談やこだわりの開示、⑤問い合わせ返信の書き方、の5つが、顔を出さなくても人格を伝えられる代表的な手段だと考えています。どれも特別な機材や体制がなくても、明日から手をつけられる粒度のものばかりです。撮影の予定を組んだり、出演を依頼したりする手間がかからない分、着手のハードルは顔出しよりもずっと低いはずです。この5つは単独で使ってもいいですし、組み合わせるほど人格の輪郭がはっきりしていく関係でもあります。次の章から、それぞれを具体的な場面に落として紹介していきますね。
先に触れておくと、これはBtoCの接客業だけの話ではありません。BtoBの会社でも、見積書に添える一言や、問い合わせ窓口の返信の書き方から始められる部分がたくさんあります。消費者向けの会社であっても、全スタッフが顔出しをする必要はまったくなく、できる人とできない人が混在していても運用は十分に成立します。顔出しに抵抗がある会社ほど、この記事で紹介する方法との相性がいいと感じているので、ぜひ最後まで読んでみてください。社内で「うちは顔出しに向いていないから」と話が止まっていたのなら、その先の選択肢を知るきっかけにしてもらえたらうれしいです。
まずは、一番着手しやすい「文章」の話からです。写真や動画を新しく用意しなくても、今書いている文章の主語を変えるだけで、人格の伝わり方はかなり変わってきます。新しい撮影の予定を組んだり、スタッフに出演をお願いしたりする必要がないので、今日の投稿からすぐに試せるのがこの方法の良いところです。文章はすでに毎日書いているものなので、新しく何かを始めるというより、今ある言葉の選び方を少し調整するだけで完結するのも扱いやすいところだと感じています。まずは一人称の文章と、問い合わせ返信の書き方という、身近な2つの場面から確認していきます。
たとえば「新商品を発売しました。ぜひご覧ください」という投稿と、「私たちが半年かけて生地から選び直した新商品が、やっと発売できます」という投稿では、同じ新商品の告知でも受け取られ方がまったく違うんですよね。前者は会社からのお知らせとして流れていきやすいのですが、後者は「誰かが頑張って作ったもの」として届きます。ポイントは、動詞の主語を「弊社」や「当社」ではなく「私たち」「私」に変えること、そして「なぜそれをしたのか」という一言を添えることです。この一言があるだけで、文章の背後に人がいることが伝わりやすくなります。
一人称に変える作業は、実はテンプレート化しやすい部分でもあります。商品紹介文の最後に「私たちがこれを選んだ理由は〜」という一文を足す、キャンペーン告知の冒頭に「今回このキャンペーンを企画したのは〜」という背景を添える、というように、既存の文章のフォーマットに一行加えるだけで始められます。すべての投稿を書き直す必要はなくて、まずは反応を見たい投稿から試してみるくらいの気持ちで十分だと感じています。慣れてきたら、投稿のたびに「これは私たちの言葉になっているか」を確認する癖をつけておくと、続けやすくなります。
問い合わせ対応も、顔を出さずに人格を伝えられる場面のひとつです。「お問い合わせありがとうございます。在庫についてご案内いたします」という定型文だけの返信と、「お問い合わせありがとうございます。同じ質問を先週も別のお客さまからいただいていて、私たちも表記をわかりやすく直そうと話していたところでした」という一言が添えられた返信では、後者のほうが「ちゃんと人が読んで返してくれている」という安心感につながりやすいんですよね。定型文そのものは間違っていなくても、そこに個別性が一切ないと、機械的な対応という印象を持たれてしまうことがあります。
もちろん、すべての返信に長い文章を添える必要はありません。定型文の最後に一言、状況に合わせた個別のコメントを足すだけで十分です。最初は決まったフレーズを2〜3個ほど用意しておいて、状況に応じて選んで添えるだけでも、対応する人による差は出にくくなります。担当した人の名前をメールの最後に添えるだけでも印象は変わりますし、DMやチャットでの対応なら、絵文字ひとつ、語尾ひとつの選び方からでも人格は伝わっていきます。マニュアル対応を否定するのではなく、マニュアルの最後に「個別の一言」を足す余白を作っておく、というイメージで捉えてみてください。
次は、文章よりももう一歩踏み込んだ、「モノ」に人の気配を乗せる方法です。梱包や商品紹介など、すでにある業務フローの中に少し手を加えるだけで実現できるものばかりなので、体制を大きく変える必要はありません。新しい仕組みを一から作るというより、今すでにあるものに「名前」と「一言」を足していく、という感覚に近いものです。文章よりも準備の手間は少し増えますが、受け取った人の手元に物として残る分、記憶に残る時間も長くなりやすいという良さがあります。スマホの画面をスクロールして流れていく文章に比べて、手元に残るものは何度も見返してもらえる可能性がある、という違いも意識しておきたいところです。
通販の梱包に同封するカードを、印刷された定型のサンクスカードから、名前入りの手書きメッセージに変えるだけで、受け取った瞬間の印象はかなり変わります。「本日梱包を担当したAです。梅雨の時期は除湿剤と一緒に使うと快適に過ごせますよ」というように、担当者の名前と、ちょっとした一言を添えるだけで十分です。全件に手書きするのが難しい場合は、定型文をベースにしつつ、名前とスタンプだけ手作業で加える、というやり方でも十分に気持ちは伝わるはずです。開封した瞬間に「誰かが送ってくれた」と感じてもらえるかどうかで、その後のリピートにも差が出てくる印象があります。
実店舗を持っている場合は、レジ横のポップや会計時の一言にも同じ考え方を応用できます。スタッフの名前とひとことコメントが添えられたポップは、商品情報だけのポップよりも足を止めてもらいやすいですし、「この人が選んだものなんだ」という納得感にもつながります。会計のときに「これ、私も使ってるんですけど乾燥する季節に本当に助かってます」と一言添えるだけでも、レジでのやり取りが単なる会計作業から、人と人との会話に変わります。実店舗でスタッフという「人」を軸にしたブランディングをより広く設計したい場合は、スタッフがブランドになる——実店舗の「人」でリピーターを生む接客ブランディングでも詳しく扱っているので、あわせて読んでみてください。
商品ページやSNS投稿に「スタッフのBが愛用している理由」という一文を添えるだけでも、情報の受け取られ方は変わります。スペックや成分の説明だけが並んだページより、「なぜこの人はこれを選んだのか」という理由が一行あるだけで、読み手は自分に置き換えて想像しやすくなるんですよね。理由は大げさなものである必要はなく、「乾燥する季節に手放せなくて」というような、生活のワンシーンが伝わる一言で十分です。専門的な効能の説明よりも、こうした個人の実感のほうが、結果的に信頼につながる場面が多いように感じています。
この仕掛けのいいところは、顔写真を用意しなくても成立するところです。名前(もしくはイニシャルやニックネーム)と、選んだ理由の一言さえあれば、そこに人格は宿ります。複数のスタッフで紹介を持ち回りにすれば、ネタ切れの心配も減りますし、「今回は誰の紹介だろう」という楽しみ方をしてもらえることもあります。月替わりや商品カテゴリごとに担当を決めておくと、無理に更新頻度を上げなくても自然と続けやすいサイクルが生まれます。紹介文を書くこと自体がスタッフにとって商品を見つめ直す機会にもなるので、社内向けのちょっとした副次効果も期待できます。
ここまで紹介した方法は、どちらかというと「うまくいっていること」を伝える工夫でした。ここからは逆に、「うまくいかなかったこと」や「地味なこだわり」を開示する話です。整った実績や完成された商品説明だけを並べていると、情報としては正しくても、どこか距離を感じさせてしまうことがあるんですよね。うまくいっている部分だけを見せ続けると、いつの間にか「隙のない会社」という距離のある印象ばかりが積み重なっていくことがあります。きれいに整った発信を続けること自体は悪いことではないのですが、そこに人の試行錯誤が一切見えないと、少しずつ他人行儀な印象に変わっていくんですよね。
たとえば「サンプルを何種類も試して、最初の案はまったくしっくりこなかった」という試行錯誤の話や、「梱包の仕方を3回変えて、ようやく今の形に落ち着いた」という裏側の話は、完成品の説明だけでは伝わらない人の存在を感じさせてくれます。20代女性は、隙のない完璧な発信よりも、こうした試行錯誤の跡が見える発信のほうに親しみを感じる場面が多いと、うちのチームでは感じています。整いすぎた発信は「よそ行きの顔」に見えてしまい、逆に距離を作ってしまうことがあるんです。少し不格好でも、過程が見える発信のほうが結果的に長く覚えてもらえる印象があります。
こだわりの開示も同じ理由で効果があります。「この生地を選んだのは、洗濯したときの縮みにくさを重視したからです」というような、小さくて具体的なこだわりのポイントを言葉にするだけで、担当者の判断基準が透けて見えるようになります。大きな成果や実績を語るよりも、こうした細部の理由のほうが、案外読み手の記憶に残りやすいんですよね。普段は説明することのない小さな判断の理由ほど、実は読み手にとって新鮮に映ることが多い印象があります。こだわりは一つに絞る必要はなく、商品ごと・投稿ごとに違う切り口で語っていくと、ネタが尽きる心配も少なくなります。
こうした発信を「買う前の安心材料」として設計していく視点は、レビューやUGCの設計とも重なる部分があります。第三者の声をどう集め、どう見せるかについては20代女性の「買う前の行動」——レビュー・UGC・インフルエンサーをどう設計するかで扱っているので、自社の発信と合わせて、購入前の安心材料をどう積み重ねるか考えてみてください。自社発信の一人称の説得力と、第三者によるUGCの客観的な説得力は役割が違うぶん、両方がそろったときに購入前の不安がもっとも解消されやすくなる印象があります。どちらか一方だけを頑張るのではなく、両輪として設計していく視点を持っておくといいと感じています。
ここまで紹介してきた方法は、実はどれも「顔出しをしない」ことを前提にしても成立するものばかりです。顔出しに抵抗があるスタッフが多い会社や、そもそも消費者向けの発信に慣れていないBtoBの会社でも、今日から着手できる部分は思っている以上に多いと感じています。「うちの業種は関係ない」と感じている会社ほど、実は手つかずの伸びしろが残っていることが多いようにも感じています。顔出しをしていない会社ほど、逆に言葉づかいや対応の丁寧さで差をつけやすい、という捉え方もできます。ここからは、特にBtoBの会社や、社内的な事情で顔出しが難しい会社に向けて、着手のしかたを具体的に整理していきます。
BtoBの会社の場合、SNSでの発信よりも先に、見積書や提案書、問い合わせ対応の中に人格を乗せるほうが着手しやすいことが多いです。「今回の提案は、担当のCが貴社の過去のご相談内容を踏まえて作成しました」という一言を添えるだけでも、受け取る側の印象は変わります。展示会やセミナーの登壇者紹介に「なぜこの分野に関わるようになったか」という背景を一言添えるのも、同じ考え方の応用です。取引先とのやり取りは消費者向けの発信より地味に見えるかもしれませんが、関係を長く続けていく上では同じくらい効果のある場所だと感じています。
また、こうした人格の伝え方は、一部のスタッフや一部の投稿だけで終わらせず、対応する部署やスタッフ全体で足並みを揃えていくことも大事になってきます。窓口の一人だけが工夫していても、別の部署の対応がテンプレートのままだと、受け取る側は「対応する人によって印象が違う会社」という感覚を持ってしまうことがあるんですよね。一人だけが頑張る属人的な取り組みで終わらせず、チームやマニュアルの共通言語として残していく視点も必要になってきます。決めた発信の方針を現場全体に浸透させる設計については決めたブランドが現場に伝わらない|全社に浸透させる設計でも扱っているので、複数部署・複数人での運用を考えている場合はあわせて参考にしてみてください。
最後に、今回紹介した方法をNG例とOK例で整理しておきます。文章・梱包・商品紹介・問い合わせ返信・実績発信という5つの場面ごとに、よくあるNG例と、今日から置き換えられるOK例を並べました。全部を一度に変える必要はなく、大がかりな準備や新しい撮影の予定を組む必要もないので、まずは自社に一番近そうな項目を1つだけ選んで、試してみてください。社内のミーティングでこの表を見せながら、「うちはどれからやれそうか」を話し合う叩き台としても使いやすい形にしています。
| 方法 | NG例 | OK例 |
|---|---|---|
| 文章の主語 | 「弊社では〜を提供しております」 | 「私たちがこれを選んだ理由は〜なんです」 |
| 梱包・同封物 | 印刷済みの定型サンクスカードのみ | 担当者の名前と一言が入った手書きメッセージ |
| 商品紹介 | スペックや成分の説明だけ | 「スタッフが選んだ理由」を添えた一言 |
| 問い合わせ返信 | 定型文をそのまま貼り付けるだけの返信 | 状況に合わせた一言と担当者名を添えた返信 |
| 実績・こだわりの発信 | 完成した実績だけを並べる発信 | 試行錯誤やこだわりの理由も添えた発信 |
迷ったときのために、着手しやすい順に並べたチェックリストも用意しました。どれも顔写真を新しく用意する必要はなく、今使っている文章やカード、返信の書き方を少し見直すだけで始められることばかりです。一度に全部を確認しようとせず、当てはまりそうなものから順に、小さく試していくくらいの気持ちで十分です。チェックが多くついた項目から着手すると、社内の合意も取りやすく、動き出しがスムーズになりやすい印象があります。社内で相談するときの叩き台として、担当者や部署を横断しながら使ってみてください。
今回は、「20代女性に選ばれる会社は、担当者の顔が見える」というテーマを、顔出しだけに閉じずに整理してみました。20代女性が反応しているのは、顔写真そのものというより、その奥に人がいると感じられるかどうかなんですよね。一人称のある文章、名前入りの手書きカード、選んだ理由の紹介、失敗談やこだわりの開示、問い合わせ返信の書き方——どれも、明日からの業務に少し手を加えるだけで始められるものばかりです。特別な予算も、新しい撮影の予定も必要ありません。今の発信や対応に、少し言葉を足していくだけで、十分に人格は伝わり始めます。
顔出しに抵抗があるからといって、人が見える発信を諦める必要はないと感じています。むしろ顔写真がない分、言葉づかいや細かな気配りのほうに意識を向けやすくなるという側面もあります。BtoBの会社であっても、見積書の一言や問い合わせ対応の書き方から、今日から着手できる部分はきっとどこかに見つかるはずです。顔出しを前提にした施策だけが「正解」ではないということを、社内で一度共有しておくのも良いきっかけになるはずです。社内の体制やルールを大きく変える前に、まずは今ある文章や対応を少し見直すところから始めてみてください。
まずは今回紹介した中から、一番着手しやすそうなものを1つだけ選んで試してみてください。文章の主語を変える、カードに一言添える、返信に個別のコメントを足す——小さな一歩からで十分です。今日の一つの言い換えが、半年後の「なんとなく好きな会社」という印象につながっていくはずです。うちのチームも、日々いろいろなブランドの発信を見ながら、「この会社は誰が発信しているのか」が伝わる工夫を一緒に考え続けています。顔が見えなくても、人が見える発信は今日から作っていけるはずです。焦らず、できるところから積み重ねていってもらえたらうれしいです。
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