EC戦略2026.08.06TWELVE

20代女性はどこで買っている?SNS・モールEC利用データで見る集客チャネルの選び方

20代女性はどこで買っている?SNS・モールEC利用データで見る集客チャネルの選び方

「SNSは強いのに、ECの数字が伸びない」――その理由を実データから確認してみます

「うちはInstagramもTikTokもちゃんと運用しているのに、なぜかECモールの数字が伸びない」——20代女性をメインターゲットにしているクライアントさんから、こういったご相談を本当によくいただきます。SNSのフォロワーは増えているし、投稿の反応もいい。なのに、楽天市場やAmazonの売上にはなかなか結びついてこない。うちのチームも最初は「もっと投稿を増やせば解決するのかな」と考えていたんですが、データを見ていくうちに、それだけでは説明できない構造があることが分かってきました。

この記事では、総務省と民間調査の実データを使って、20代女性がどのSNS・ECモールにどれくらいの時間を使っているのかを整理しながら、集客チャネルにどう力を割くべきかを一緒に考えていきます。SNSごとの向き・不向きや、楽天市場とAmazonで戦略をどう分けるかについても、具体的に触れていきます。

特に「SNSは強いのに数字が伸びない」という状態を放置してしまうと、SNS運用の予算だけが増えていって、肝心のECモールの売上にはつながらないという事態になりやすいんです。まずは今、どのチャネルにどれだけの力が入っているのかを、実データと照らし合わせながら整理していきましょう。

実データで見る、20代女性とSNS・ECモールの「今の距離感」

まず、憶測ではなく数字から確認していきます。総務省情報通信政策研究所が2026年6月に公表した「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」では、主要SNSの年代別利用率が明らかになっています。20代と全年代平均を比べると、こんな結果でした。

SNS20代の利用率全年代平均20代の位置付け
YouTube96.3%81.5%全年代の中で20代が最高
LINE97.7%92.9%30代に次ぐ水準
Instagram82.6%54.8%全年代の中で20代が最高
X(旧Twitter)73.4%44.7%全年代の中で20代が最高
TikTok61.5%36.7%10代に次ぐ水準

LINEはさすがの国民的インフラという感じで、どの年代でも高い利用率なんですが、Instagram・X・YouTubeは20代が全年代の中でもっとも高い利用率になっているんですよね。特にInstagramは全年代平均54.8%に対して20代は82.6%と、30ポイント近い差があります。ここだけ見ると、「SNSはどれも20代女性に効きそう」と思ってしまいますよね。

でも、ECモールの利用データを見ると、また違った顔が見えてきます。株式会社いつも・インテージの「生活者のEC利用実態調査2024」によると、20代がメインで利用しているECモールの割合はこうなっています。

ECモール20代のメイン利用率全年代内での20代の位置付け
Amazon37.6%全年代の中で20代が最高
楽天市場15.2%全年代の中で20代が最も低い水準
Yahoo!ショッピング20代単体のデータは確認できていません

Amazonは20代のメイン利用率が全年代の中でもっとも高く、逆に楽天市場は20代のメイン利用率が全年代の中でもっとも低い水準になっています。Yahoo!ショッピングについては、今回参照している調査の中に20代単体の信頼できる数字が見当たらなかったので、正直に「データが確認できていない」とお伝えしておきます。ここで無理に数字を出すより、わかっていることとわかっていないことを分けておくほうが、判断を誤らないと感じています。

ここまでのデータを整理すると、軸になる事実は2つだと私たちは考えています。1つは「SNSは20代女性の時間がもっとも集まる場所になっている」ということ。もう1つは「ECモールの中では、楽天市場よりAmazonのほうが20代の受け皿になっている」ということです。この2つを別々に見てしまうと、「SNSを頑張れば売上も伸びるはず」という短絡的な結論になりがちなんですが、実際にはそう単純ではないと感じています。

この2つの調査を並べてみると、「20代女性の時間はSNSに集まっているけれど、その時間がそのまま楽天市場での購買には変換されていない」という構図が見えてきます。うちのチームがクライアントさんの相談を受けるときも、まさにこのギャップが起点になっているケースがすごく多いんです。

「SNSでよく見かける」と「ECモールで買う」は別の話――だから導線設計が必要なんです

SNSの利用率が高いからといって、それがそのままECモールでの購買につながるわけではないというのが、私たちが現場で強く感じているポイントです。InstagramやTikTokで投稿を見て「いいな」と思っても、そこから実際に購入に至るまでには、いくつもの分岐点があります。保存だけして終わる、検索して他のブランドと比較する、フォローはするけど購入は忘れる……20代女性の行動には、こういうステップが挟まっていることが多いんですよね。

たとえば、Instagramでコスメの新色紹介を見て「かわいい」と保存したとしても、その場で買う人は多くありません。給料日まで待つ、友達の感想を聞く、他の色味と比較する……こういった時間差が20代女性の購買行動には自然に入っています。この時間差のあいだにECモールへの導線が用意されていないと、興味はあっても購入までたどり着かずに終わってしまうんです。

特に楽天市場やAmazonのような大型モールは、SNSとは全く違う文脈で使われています。SNSは「たまたま出会う」「気分で見る」場所として使われる一方、ECモールは「欲しいものを比較して買う」場所として使われる傾向が強いんです。つまり、SNSでの発見とECモールでの購買のあいだには、意識のスイッチが一段入っているということなんです。

ここを飛ばして「SNSのフォロワーが増えたのに売上が伸びない」と結論づけてしまうのは、少しもったいない見方だと感じています。必要なのは、SNSとECモールを別々に評価するのではなく、その間の導線をどう設計するかという視点です。この前提を丁寧に整理した記事があるので、気になる方はこちらも読んでみてください。

SNSからECモールに導線を引くための前提条件

もう一つ付け加えておきたいのが、「20代女性」とひとくくりにしても、実は同じ世代の中でも購買行動にはかなり差があるという点です。Z世代らしい感覚を強く持つ人と、もう少し上の年代に近い感覚を持つ人が同じ「20代」の中に混在していて、SNSへの依存度やECモールの使い方も一様ではないと私たちは感じています。この違いを整理した記事もあるので、ターゲットの年齢レンジを絞り込むときの参考にしてみてください。

Z世代とゆとり世代、EC購買行動はこんなに違う

チャネル別に見る、20代女性への刺さり方

ここからは、SNSごとの特性と、20代女性にどう使われているかを一つずつ整理していきます。同じ「SNS」でも、役割はかなり違うんですよね。

Instagram――「発見」と「保存」が起点になる場所

Instagramは20代の利用率が82.6%と全年代の中でもっとも高く、20代女性にとってはほぼ生活の一部になっているSNSです。ハッシュタグ検索や発見タブ経由で新しいブランドに出会い、気に入った投稿は「保存」して後で見返す、という使い方がすごく定着しています。ECモールとの連携がしやすいのも強みで、投稿からショップへの導線を作れるかどうかが成果を左右すると感じています。特にリールやストーリーズは、フィード投稿よりも新しいユーザーに届きやすい傾向があるので、新規層への入り口として意識して使うのがおすすめです。たとえば「使用前と使用後」を並べたビフォーアフター形式のリールや、率直な言葉で書かれたレビュー投稿は、保存率が伸びやすい傾向があります。プロフィールのリンク先を季節のキャンペーンページに定期的に切り替えておくと、保存から数日後に戻ってきたユーザーを取りこぼしにくくなります。ここを深掘りした記事もあるので、合わせて読んでみてください。

Instagram×ECモール連携で売上を伸ばす方法

TikTok――熱量は一気に爆発するけど、続けないと沈静化しやすい

TikTokは20代の利用率が61.5%で、10代に次ぐ水準になっています。TikTokの特徴は、1本の動画がきっかけで一気に話題になる爆発力です。「タグ付けされた商品が急に売れる」というような現象は、TikTokだからこそ起きやすいと感じています。一方で、話題が沈静化するのも早いので、単発の投稿で終わらせず、継続的に企画を回していく体力が必要になります。ライブ配信でリアルタイムに商品を紹介する形も、20代女性の今すぐ感に合っていると感じています。たとえば「これ、知らなかった…」で始まる驚き型の入り方や、スタッフの本音がそのまま伝わる動画は、最後まで再生されやすい傾向があります。コメント欄に「どこで買えますか」という質問が増えてきたタイミングで固定コメントにECモールへのリンクを貼っておくと、熱量が高いうちに購買まで運びやすくなります。TikTok経由の売上について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

TikTok×ECで売上急伸!Z世代への販売戦略

InstagramとTikTok、どちらから手をつけるべきか迷う方も多いと感じているので、この2つを比較しながらブランディングの始め方を整理した記事も用意しています。予算や体制に合わせて、どちらを軸にするか判断する材料にしてみてください。

20代女性向けSNSブランディング、InstagramとTikTokどちらから始める?

X(旧Twitter)――拡散力と会話のスピードが強み

Xは20代の利用率が73.4%で、こちらも全年代の中で20代が最高です。Xの強みは、リアルタイム性と拡散力だと私たちは考えています。セール情報や在庫状況など、「今すぐ知りたい」情報の発信には向いていますし、リポストによって思わぬ範囲まで情報が広がることもあります。ただし、購買につなげるには外部リンクへの誘導が必要になるので、プロフィール欄や固定ポストの設計も含めて考えていく必要があります。スレッド形式で背景やこだわりを説明したり、ユーザーの投稿を引用しながら会話に加わったりすることで、単なる告知以上の関係性を作れるのもXらしいところだと感じています。たとえば「残り3点になりました」というような在庫状況をそのまま投稿するだけでも、リアルタイム性が伝わってリポストされやすくなります。お客様の投稿を見つけたときは「いいね」だけで済ませず一言添えて引用すると、フォロワーとの距離がもう一段近づく印象があります。

YouTube――時間をかけて信頼を積み上げるロングフォーム

YouTubeは20代の利用率が96.3%で、全年代の中でも20代がもっとも高い数字になっています。ショート動画だけでなく、レビューや使い方紹介のような長尺コンテンツでじっくり信頼を積み上げられるのがYouTubeの特徴です。即効性はInstagramやTikTokに比べると出づらいものの、検索経由で長く見つけてもらえる資産になりやすいと感じています。最近はショート動画から長尺の本編に誘導する流れも増えていて、入り口の広さと深さを両立できるのがYouTubeの強みだと感じています。たとえば「◯◯を1週間使ってみた結果」のような検証系の動画は、公開から数ヶ月経ってもじわじわ再生数が積み上がっていく資産性の高いコンテンツです。ショート動画の最後に「続きは本編で」と一言添えて長尺動画へリンクしておくだけでも、興味を持った人がそのまま深い情報まで辿ってくれる流れを作れます。

LINE――すでに繋がっている人に、もう一度声をかける場所

LINEは20代の利用率が97.7%で、30代に次ぐ高い水準です。LINEの立ち位置は新規発見ではなく、すでに接点がある人との関係を維持することだと私たちは捉えています。クーポン配信やセール告知など、「すでに知っている人にもう一度買ってもらう」場面で強さを発揮するチャネルです。リッチメニューから商品ページやクーポンページに直接リンクを貼っておくと、思い出したときにすぐ買える状態を作れるのも、LINEらしい強みだと感じています。たとえば「友だち限定」と明示したクーポンを月に1〜2回のペースで配信するだけでも、開封率が安定して高くなりやすいのがLINEらしいところです。誕生日月に小さな特典を配信するなど、タイミングを絡めた一言を添えるだけで、「ちゃんと見てもらえた」という手応えが変わってくると感じています。

楽天とAmazon、20代女性への向き合い方をどう分けるか

ここまでのデータを踏まえると、楽天市場とAmazonでは20代女性への向き合い方を分けて考える必要があると感じています。Amazonは20代のメイン利用率が37.6%と全年代の中でもっとも高く、20代女性にとってすでに「買い慣れた場所」になっています。検索して比較して、レビューを見て決める、というAmazonらしい購買行動に、20代女性もしっかり乗っているということなんですよね。

一方で楽天市場は、20代のメイン利用率が15.2%と全年代の中でもっとも低い水準です。この数字だけを見ると「楽天は20代に弱い」と捉えてしまいそうですが、私たちはこれを工夫の余地がある領域だと考えています。楽天市場はポイント経済圏やセールの仕組みなど、上の世代ほど使いこなしている面があるので、20代女性にとっては「知っているけど、まだ使いこなせていない」状態になっている可能性が高いんです。ポイント還元の分かりやすい見せ方や、SNSと連携したクーポン企画など、20代女性向けの入り口を丁寧に作っていくことで、伸ばしていける部分はまだたくさんあると感じています。たとえば「お買い物マラソン」のようなポイント倍率が上がる期間だけ、還元率が一目でわかる画像にしてInstagramのストーリーズで告知するだけでも、複雑な仕組みに慣れていない20代女性にとってのハードルはかなり下がります。

具体的には、SNSでの投稿と楽天市場のサンキューポイントやクーポン企画を連動させたり、レビューを書きやすい導線を整えたりすることが、20代女性にとっての「使いやすさ」を上げる一歩になると考えています。Amazonについても、レビューの見せ方や商品画像の情報量など、20代女性が比較検討しやすい情報設計を意識することで、すでに高い利用率をさらに活かしていけると感じています。たとえば商品画像の1枚目にサイズ感が伝わるモデル着用カットを置いたり、レビューの並び順で「20代」「一人暮らし」など条件が近い声を優先的に表示したりする工夫も、比較検討のスピードを上げる一歩になります。

Yahoo!ショッピングについては、繰り返しになりますが20代単体の信頼できるデータを確認できていないので、ここで無理に楽天やAmazonと同じ土台で比較するのは避けたいと考えています。データがない部分は「わからない」と正直に扱うことが、結果的に良い判断につながると感じています。

また、楽天とAmazonそれぞれで、伝え方のトーンを変えることも大事なポイントです。同じ商品でも、モールが違えば響く言葉や見せ方は変わってきます。ブランドトーンの作り方を整理した記事もあるので、モール別の見せ方を考えるときの参考にしてみてください。

20代女性に伝わるブランドトーンの作り方

今日からできる、集客チャネル見直しの実践ステップ

ここまでの内容を、実際のアクションに落とし込んでみます。大きな予算をかけなくても、まずは次のようなところから見直しを始めてみてください。

1. 今のチャネル配分を数字で書き出してみる

広告費・運用時間・投稿本数を、SNSごと・モールごとに一覧にしてみましょう。感覚ではなく数字で並べると、「思っていたよりTikTokに時間を使っていない」「楽天への露出が少ない」といったズレが見えてきます。実際にスプレッドシートへ1行ずつ書き出してみると、Instagramには週5本投稿しているのに楽天市場のバナー更新は月1回しかしていない、といった偏りが可視化されることがよくあります。

2. ターゲットが20代女性なら、Instagram・TikTok・YouTubeの優先度を上げる

20代の利用率データを踏まえると、この3つは20代女性への到達力が高いチャネルです。すべてを同時に強化するのは体力的に厳しいので、まずは1〜2媒体に絞って投稿の質と頻度を高めていくのがおすすめです。たとえば週の運用時間が10時間なら、6〜7時間をInstagramとTikTokに、残りをYouTubeのショート動画に割り振るところから始めると、体感的にも管理しやすくなります。

3. SNSからECモールへの導線を1つずつ点検する

プロフィール欄のリンク、投稿からショップへの遷移、固定ポストの内容など、SNSからECモールへ移動する瞬間を実際に自分でたどってみてください。ここが分かりにくいと、せっかくの興味が途中で止まってしまいます。たとえばプロフィール欄のリンクをタップしてから目当ての商品ページに着地するまで何回タップが必要かを数えてみると、3タップ以上かかっていることも少なくありません。

4. 楽天市場には20代向けの入り口を意識的に作る

ポイント還元やクーポンの見せ方を、20代女性にも分かりやすい言葉に変えてみましょう。SNSでの告知と楽天のセール企画を連動させることも、有効な一歩になると感じています。たとえば「このクーポンは今日から3日間だけ」のように、Instagramのストーリーズと楽天のクーポン期間をぴったり合わせて告知するだけでも、20代女性にとっての「今、見るべき理由」が生まれやすくなります。

5. 月に1回、チャネルごとの成果を振り返る

一度作った配分がずっと正解とは限りません。フォロワー数だけでなく、そこからECモールに実際に流れているかどうかを、月次で振り返る習慣を作っていきましょう。月末に15分だけでも、フォロワー数の増減とECモールへの新規流入数を並べて見る時間を作ってみてください。

6. チャネルごとの「勝ちパターン」を1つ言語化してみる

Instagramなら保存されやすい構成、楽天なら伸びやすいクーポンの出し方など、チャネルごとに再現できそうなパターンを1つずつ言語化しておくと、次の企画を考えるときの土台になります。たとえば「保存数が多かった投稿は、使用シーンをいつも1枚目に置いていた」のように1行でメモしておくだけで、次の企画会議での判断が早くなります。

まとめ――データを起点に、チャネル配分を見直していきましょう

20代女性はYouTube・Instagram・Xの利用率が全年代の中でもっとも高く、SNS上での時間の多くが20代女性に集まっています。一方でECモールでは、Amazonが20代の受け皿になっている一方、楽天市場は20代のメイン利用率が全年代の中でもっとも低い水準です。この2つのデータを合わせて見ると、SNSでの存在感づくりと、ECモールでの購買導線づくりは、それぞれ別に設計する必要があるということが分かりますよね。

どのチャネルに力を割くべきかは、店舗の商品やターゲットの年齢レンジによっても変わってきます。まずは今の配分を数字で確認して、20代女性にきちんと届く設計に近づけていきましょう。


SNSとECの課題、私たちが一緒に解決します。
金額自由。期間自由。縛りなし。
まずは無料で相談してみませんか。

実行チームに相談する

← COLUMNに戻る
その「次の一手」、もう自分で考えなくていい。

楽天・Yahoo!・Amazon・Shopifyのデータから、今週やることを根拠つきで。
承認するだけで販促まで動く、EC運用アシスタント「BEE」です。

BEEを見てみる 人に相談したい方はこちら