
EC運営をしていると、毎日数字と向き合います。CTR、CVR、ROAS、LTV——どれも大切な指標で、私たちも毎日見ています。
でも最近、こういうことを感じているんです。「データを追いかけるほど、お客様の顔が見えなくなる」って。
数字は過去の結果を教えてくれます。でも数字は「なぜお客様がその商品を買ったか」は教えてくれません。クリックした理由、購入をためらった瞬間、レビューを書こうと思った気持ち——そういった感情の動きは、どのダッシュボードにも出てこないんですよね。
データドリブンが悪いわけじゃないんです。ただ、データ「だけ」で設計されたECサイトは、どこかよそよそしい。人間が作った感じがしない。そのよそよそしさが、購買の壁になっていることが意外と多いんです。
消費者行動の研究では、人間の購買決定の大部分は感情に基づいているといわれています。「これ好き」「この人から買いたい」「このブランドが好き」——そういう感覚が先にあって、あとから理由を後付けしているケースが多いんですよね。
ECでいうと、こんな経験ありませんか?
これ、全部感情が動いているんです。商品の機能ではなく、そのお店や商品が「どんな気持ちをくれるか」で選ばれています。
私たちが支援する中で、CVRが改善したケースを振り返ると、商品スペックを詳しくしたからではなく、「誰が作ったか」「どんな想いで売っているか」を伝える文章を加えたことで変わったケースが多いんです。
実際に私たちが見てきた「データ偏重で失敗したEC」に共通するパターンがあります。
CTRが高いボタンの色、CVRが上がる画像の配置——それを追い続けると、どこにでもある商品ページが完成します。最適化されているけど、記憶に残らない。次に同じカテゴリで検索したとき、また最安値で選ばれる競争に戻るだけです。
短期的にROASが良い広告を回し続ける。でも新規顧客の獲得コストは上がり続け、ブランドへの認知は積み上がらない。「売れているが、ファンがいない」状態になります。
「レビュー数が少ないから増やそう」というアプローチは数値改善策。でも「どんな感情でこのレビューを書いてくれたか」を読み込むと、次の商品開発や接客の改善につながる情報が山のようにあるんです。
| データだけのアプローチ | 感情も設計するアプローチ |
|---|---|
| CTR・CVRを最大化する施策を打つ | 「買ってよかった」と思ってもらえる体験を設計する |
| ROASが高い広告に集中する | ブランドへの共感が生まれる接点を作る |
| レビューを件数として管理する | レビューの感情を読み込んで商品・接客に反映する |
| 価格・送料で競争する | 「この店から買いたい」という気持ちを育てる |
誤解してほしくないのですが、感情設計はデータを無視することではありません。
私たちのやり方は、データで「何が起きているか」を把握して、感情設計で「なぜ起きているか」「どうすれば変わるか」を考えます。両方あって初めて、施策が本質的になるんです。
具体的に言うと、離脱率が高いページをデータで発見したあと、「このページでお客様がどんな感情を持つか」を想像して改善する。スペックを足すより、「この商品があなたの生活をどう変えるか」を伝える文章を足した方が、結果として数字が改善することが多いんです。
感情を動かすのは人間がやる仕事で、データはそのガイドになるもの。この順番を間違えると、最適化の罠にはまります。
ECのダッシュボードを開くとき、私はこれを意識するようにしています。「この数字の向こう側に、どんな人がいるんだろう」って。
クリックした人は何を探していたのか。購入をやめた人は何に迷ったのか。リピートしてくれた人は何に満足したのか。その想像力が、データをただの数字ではなく、改善のヒントに変えてくれます。
感情で買う時代に、感情を設計できるEC運営者が強いんです。データはそのための道具です。
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