EC戦略2026.05.02TWELVE

円安・関税・物価高の時代にEC企業がやるべき5つのこと【2026年版】

円安・関税・物価高の時代にEC企業がやるべき5つのこと【2026年版】

「また仕入れ値が上がった」「売れ行きが鈍くなってきた」——最近、そんな声をクライアントから聞く機会が増えています。

2026年、EC業界を取り巻く環境はここ数年で一気に複雑になりました。円安、物価高、そしてトランプ関税。どれも「一時的なもの」で終わりそうにない問題ばかりです。

でも、こういう局面こそ、「正しく理解して動くこと」と「なんとなく動くこと」の差が大きく開くタイミングでもあると感じています。今日は、世界情勢と日本経済の現状を整理しながら、EC事業者が今やるべきことを一緒に考えていきたいと思います。

今、何が起きているのか——3つの逆風を整理する

まず現状を把握するところから始めましょう。「なんとなく厳しい」ではなく、数字で理解することが大切なんです。

① トランプ関税——仕入れ・輸出の両面でコスト増

2026年に入り、日本からの輸入品に対する米国の平均関税率は15.2%に達した[4]と報告されています。特に精密機械・電子機器では25〜40%という高関税が課されており、輸入原材料・OEM品を米国経由で調達しているEC事業者には直接影響が出ています。

日本国内でも、輸入食材・海外ブランド品・海外製資材の値上がりという形で波及していて、「商品ページの価格をどうするか」という判断を迫られているショップが増えてきているんです。

② 円安——仕入れコストが上がり続ける構造

円安は2022年から続く構造的な問題で、2026年も収束の見通しが立っていません。海外から商品を仕入れているEC事業者にとっては、同じ商品を仕入れるのに1〜2年前より1〜2割多くのコストがかかる状況が続いています。

一方で、6割以上の海外購買者が「円安後に越境ECの利用が増えた」と回答している[5]という調査結果もあります。円安は「日本製品を海外に売る」文脈では追い風になっているんです。これは後ほど詳しく触れます。

③ 実質賃金低下——消費者の財布が締まっている

実質賃金は2025年まで4年連続でマイナスを記録[2]し、2026年2月にようやくプラス転換しましたが、回復基調とは言いにくい水準です。2026年の家計負担増は4人家族で年間約8.9万円増[3]と試算されており、消費者が「必要なもの以外の支出を絞る」動きは続いています。

その一方で、2024年のBtoC-EC市場は26.1兆円(前年比+5.1%増)[1]と、EC市場全体としては成長が続いています。「節約するけど、ECは使う」という消費行動が定着してきているんです。これはEC事業者にとっては、環境は厳しくても「需要はある」という意味でもあります。

逆風要因直接の影響EC事業者への波及
トランプ関税(平均15.2%)輸入原材料・仕入れコスト増商品原価上昇→価格設定の見直し必要
円安継続海外仕入れコスト上昇仕入れ値が1〜2割増のまま推移
実質賃金マイナス(4年連続)消費者の可処分所得縮小「安さ」以外の価値訴求が必要
物価高(4人家族+8.9万円/年)食品・光熱費への支出増「余裕のない消費者」への訴求難化
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WORKS
支援実績・事例
厳しい環境でも数字を出した支援事例を公開しています。

ではEC企業は今、何をすべきか

逆風は本物です。でも、EC市場はまだ成長しています。つまり「やり方」が問われているんです。私たちが支援してきた現場の感覚をもとに、今やるべき5つのことを整理しました。

① 値上げを「正しく」やる準備をする

「値上げしたら売れなくなる」という恐怖は理解できますが、コスト増を価格に転嫁できないまま放置すると、利益が削れていくだけです。

大事なのは「ただ値上げする」のではなく、「なぜその価格なのか」をコンテンツで説明できる状態にしておくこと。素材へのこだわり、生産背景、他との違い——こういった「価値の文脈」を商品ページで語れるショップは、値上げ後も購買率が落ちにくいんです。

詳しくは市場価格より高くても売れるEC戦略で書いていますが、価格訴求だけに頼らない体制を今から作っておくことが、この環境では一番の防衛策だと感じています。

② 仕入れ構造を「見直す」タイミングと捉える

円安・関税で仕入れコストが上がっているなら、「今の仕入れ先のまま」でいいのかを見直す機会でもあります。

国内生産・国内仕入れに切り替えられるカテゴリがないか、複数の調達先を持てないか——こうした構造的なリスク分散を考えるきっかけにしてほしいんです。コスト最適化というよりも、「為替や関税の変動に左右されにくい調達構造をどう作るか」という視点です。

③ 越境ECを「一つの選択肢」として検討する

円安は「仕入れコストが上がる」という意味では逆風ですが、「日本の商品を海外に売る」という越境ECの文脈では完全に追い風です。

日本製品・日本ブランドへの信頼は海外で根強く、円安で価格競争力が上がっているこのタイミングは、越境ECを始めるまたは拡大するには良いタイミングなんです。特にアジア圏向けのマーケットプレイス(Lazada・Shopee・Tmall等)への出展を検討する余地はあると感じています。

④ リピート・LTV戦略を優先する

消費者の財布が締まっているということは、新規顧客獲得コスト(CPA)も上がりやすい環境です。広告費を増やしても、以前ほど獲得効率が出にくくなっているショップも増えています。

そういう環境だからこそ、「一度買ってくれたお客様にまた買ってもらう」LTV向上への投資の優先度を上げるべきです。サンクスメールのパーソナライズ、リピーター向けの特典設計、LINEを使ったステップ配信——これらは広告費よりはるかに低コストで売上に直結します。

ECはキャッシュフローが命でも書いていますが、売上を伸ばすより「利益率を守りながら売る」ことが、今の環境ではより重要だと感じています。

⑤ 「今が厳しい」を言い訳にしない——データで判断する

「物価高で売れない」「競合が値下げしている」——これは確かに現実ですが、同じ環境の中でも成果を出しているショップは存在します。

差があるとすれば、「感覚で動いているか、データで動いているか」だと私たちは感じています。RPPのROAS推移、商品ページのCVR変化、カート離脱率——こういった数字を定点観測していないと、「なんとなく厳しい」が「確実に落ちている」に変わったときに気づくのが遅れます。

アクセスは増えているのに売上が上がらないという状態になっていないか、まずはデータを確認してみてください。

「厳しい環境」は、差がつくタイミングでもある

円安、物価高、関税——どれもEC事業者にとってコントロールできない外部環境です。でも、こういう局面でいつも思うのは、「みんなが同じ逆風を受けている」ということです。

逆風の中でも準備できているショップは伸びます。逆風を「待てば収まる」と思って止まっているショップは、環境が戻ってもなかなか戻れなくなるんです。

今の世界情勢は複雑で、先の見通しが立てにくいのは確かです。だからこそ、「大きな環境には左右されにくい体制をどう作るか」に意識を向けてほしいと思います。値上げできる価値、調達の分散、リピート設計——これらは環境がどう変わっても「強くなる」方向の投資です。

「今の状況、うちはどう動けばいい?」——そんな悩みがあれば、ぜひ話だけでもしてみてください。私たちと一緒に考えていきましょう。

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