EC戦略 2026.05.29

ECサイトの利益率を上げる方法【2026年版】広告費・モール手数料・原価の最適化

ECサイトの利益率を上げる方法【2026年版】広告費・モール手数料・原価の最適化

「売上は伸びているのに手元にお金が残らない」——これ、ECあるあるなんです。売上を上げることに集中するあまり、コスト構造を放置しているショップはとても多いですよね。

実は利益率の改善は「売上を2倍にする努力」より「コストを10%削る努力」のほうが短期間で成果が出ることが多いです。今回は、ECの利益構造を理解した上で、現場で使える改善アプローチを整理します。

ECの利益構造を理解する

EC事業の利益は大まかに次の式で表せます。

利益 = 売上 - 原価 - 広告費 - モール手数料 - 送料 - 人件費・その他

これを利益率(利益÷売上)で見ると、各コストの比率がわかりますね。私たちが支援する中で見えてきた「利益率が低いショップの典型パターン」は次の3つです。

  1. 広告費率が15%を超えている(ROAS300%以下)
  2. モール手数料が売上の20%以上を占めている
  3. 原価率が60%を超えているのに価格を上げられていない

どれか一つでも当てはまるなら、利益率の改善余地がある状態なんです。

広告費率(広告費÷売上)は、ECの利益を最も大きく左右するコストです。楽天RPP・Amazon広告・Yahoo!PRオプションなど、モール広告はクリック課金型が多く、設定を放置すると気づかないうちに費用が膨らんでいるケースが多いです。

改善の基本は「ROASで管理すること」です。ROAS(広告費用対効果)= 広告からの売上 ÷ 広告費 × 100。ROAS300%なら広告費1円につき3円の売上があることを意味します。

利益率を確保するための目標ROASの計算式はこうなります:

目標ROAS = 100 ÷ 広告費率の上限(%)

例えば「広告費率を売上の15%以内に収めたい」なら、目標ROAS = 100 ÷ 15 = 約667%になります。このROASを下回るキーワード・商品への広告入稿は停止するのが正解ですね。

楽天RPP広告のROAS最適化についてはこちらで詳しく解説しています。

モール手数料の最適化

楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングにはそれぞれ月額料金・販売手数料・決済手数料があります。これらを正確に把握できていないショップが多いです。

モール月額料金販売手数料目安広告費
楽天市場2.0〜10万円2〜7%+決済手数料RPP必須(売上の3〜10%)
Amazon4,900円〜8〜15%(カテゴリ別)スポンサー広告推奨
Yahoo!ショッピング0円6.5%+決済手数料PRオプション(成果報酬型)

手数料を削減する方法として有効なのは、楽天市場では上位プランへの移行です。スタンダードプラン(月額3.9万円〜)より月商が大きくなれば、従量課金の手数料が下がるプランに移行することで実質コストが下がります。各モールの実費比較はこちらで確認できます。

原価率を改善するアプローチ

原価率(原価÷売上)が高い場合のアプローチは2つです。「原価を下げるか」「販売価格を上げるか」。

原価を下げるには、ロット購買の見直し・仕入れ先の複数社見積り・OEM化などが有効です。ただし品質の担保には注意が必要で、無理な原価削減はレビュー評価の低下につながるリスクがあります。

一方、価格を上げるアプローチは「ブランド価値を高めること」が前提です。同じ商品でも写真・商品説明・レビュー数が充実しているショップは、競合より高い価格でも売れています。価格競争から抜け出すには商品ページの質を上げることが近道なんです。

高単価路線に移行する商品ページ改善についてはこちら

自社EC比率を上げる選択肢

モール手数料を根本から削減するには、自社ECサイトの比率を上げることが長期的な答えになります。楽天・Amazonでのモール手数料は売上の10〜20%に及ぶことがある一方、自社ECの決済手数料は3〜5%程度。差が大きいですね。

ただし自社ECは「集客を自分で作る必要がある」ため、SEO・SNS集客・メルマガなどの投資が必要です。既存のモール顧客にLINEやメルマガで自社ECに誘導するのが現実的なルートになります。

利益率チェックリスト

"本当の利益率"を5段階で計算する式

「利益率」とひとことで言っても、どの段階の数字を見ているかで意味が全然変わってくるんですよね。売上から原価だけ引いた粗利率を見て安心していたら、手数料や広告費まで引いたら実はほとんど残っていなかった…というご相談、うちのチームにもかなりの頻度で届きます。途中の段階で計算を止めてしまうと、まだ引かれていないコストの分だけ利益が実態より良く見えてしまうんです。だからこそ私たちは、売上から段階的にコストを引いていく「5段階の計算」で見るようにしています。

考え方はシンプルで、①売上高からスタートし、②モール手数料・決済手数料を引きます。モール販売では入金される前にここが差し引かれている感覚に近いので、先に見ておくと実感が湧きやすいんです。③そこから原価を引くと粗利が見えてきて、④さらに広告費を引くと「広告を使ったうえでの儲け」が出てきます。⑤最後に配送・梱包・人件費といった運用コストを引いたものが、本当に手元に残る利益なんです。

大事なのは最後の数字だけを見るのではなく、①から⑤まで段階を追って、どこで大きく削られているかを一つずつ確認していくことだと感じています。②で削られているのか④で削られているのか、段階ごとに見ていくと、テコ入れすべき場所が具体的に見えてくるんですよね。しかも月ごとにこの5段階を並べておくと、どの段階の削られ方が変わったのかも追いやすくなります。売上高の伸びだけを追いかけていても、本当の利益率にはたどり着けないので、ぜひ自社の数字を5段階に分解してみてください。

業種別に見る、利益率の考え方の違い

ここまで計算の型を紹介してきましたが、正直にお伝えすると「利益率は何%を目指せばいいですか」という質問には、業種をうかがわないとお答えできないんです。アパレル・食品・化粧品・雑貨…同じECでも、業種によって適正な水準感は大きく異なりますし、断定できるような共通の正解はないと私たちは考えています。ネット上の「業種別平均◯%」という数字も、原価や手数料の定義がショップごとに違うことが多いので、そのまま自社に当てはめるのは危ういと感じています。

ただ、業種ごとに「どこに注目すべきか」の違いははっきりしていると感じています。アパレルは返品・交換対応や季節商材の値下げロスが利益を左右しますし、食品は賞味期限管理や配送コストが原価率に直結しますよね。化粧品は処方開発や表示規制まわりのコストがかかる分、リピート購入やブランド力でどう回収する設計にするかが鍵になりますし、雑貨は差別化がしづらく価格競争になりやすい分、送料や梱包コストの比率が想像以上に利益を圧迫しがちです。

「うちの利益率、低いのかもしれない」と感じたときほど、他業種の水準感と単純比較して一喜一憂するのではなく、自社の業種特性に照らしてどの段階のコストに注目すべきかを整理することから始めてみてください。さきほどの5段階に業種特有の視点を重ねてみると、自社が本当に見るべき数字がより解像度高く見えてくるはずです。業種によって答えは変わるからこそ、まずは自分たちの構造を正しく知ることを大事にしていきましょう。

まとめ

ECの利益率改善は、売上を伸ばすこととセットで考える必要がありますね。「売上は上がっているのに利益が出ない」状態は、コスト構造に問題があるサインです。まずは広告費率・モール手数料・原価率の3つを正確に把握することから始めてみてください。

「自分のショップのコスト構造を把握できていない」「どこから手をつければいいかわからない」という場合は、ぜひ相談してみてください。実際の数字を見ながら、改善できるポイントを一緒に探します。

利益率の改善、実際の数字を見ながら一緒に考えます。
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